2010 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ正常肺および家兎腫瘍肺モデルのラジオ波凝固時における組織内温度分布の測定
Project/Area Number |
20591483
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松岡 利幸 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40295697)
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Keywords | ラジオ波焼灼 / 温度測定 |
Research Abstract |
前々年度,前年度に施行したブタ正常肺のLeVeen針によるラジオ波凝固療法中の温度測定とその解析検討結果から,展開針の内側では蛋白凝固に必要な60℃以上の温度上昇を達成していると考えられた。そこで腫瘍壊死効果を実証する目的で,本年はVX2腫瘍を肺に植え付けた家兎を対象に腫瘍実験を行った。 家兎5匹に対し,動物専用CTを用いたCTガイド下で展開径2cmのLeVeen針にて腫瘍を穿刺し,その近傍に光ファイバー温度センサーを刺入を試みた。しかし標的腫瘍が1cm以下と小さいため穿刺が想定以上に困難で,かつ肺自体も小さかったこと,ブタに比べて家兎は脆弱ですぐに気胸を惹起し,穿刺を繰り返すうちに死亡してしまい実験の継続に難渋した。そこでそれ以上の動物実験はいったん中止し,臨床応用の機会を待つこととした。 目的とした肺腫瘍ではなかったが,泌尿器科の協力のもとに腎腫瘤に対するRFAと光ファイバー温度センサー2本による温度測定の臨床応用を行うことができた。実施に当たっては院内倫理委員会の承認と患者からインフォームドコンセントを取得した。展開径3cmのLeVeen針でRFAを行った結果,展開径の内側で温度は約60度の達した。RFA中の出力と温度データをリアルタイムにコンピュータに記録しており,今後解析を行う予定である。なお,手技中に熱感の訴えがあった他に術中,術後に問題となる合併症を認めなかった。臨床経過は現在追跡中であり年度内の発表に間に合わなかったが,結果がまとまり次第報告する。
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