2009 Fiscal Year Annual Research Report
中性子捕捉療法の治療計画に精密モンテカルロ評価を実現する境界面関数モデル法の研究
Project/Area Number |
20591487
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
熊田 博明 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (30354913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲哉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30375505)
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Keywords | BNCT / 治療計画 / モンテカルロ輸送計算 / アルゴリズム / 線量評価 / 粒子線治療 / シミュレーション |
Research Abstract |
現在中性子捕捉療法の線量評価としてモンテカルロ法が適用されているが、既存のモンテカルロ計算コードの特性として計算モデルを形成するボクセルの数が多くのなるほど計算時間が多くかかるという特性がある。本研究は、モンテカルロ線量計算に対して計算効率を向上させて計算時間の短縮化を行い、モンテカルロ法の高精度線量評価をより実用レベルで臨床研究に適用することを目的としている。 平成21年度は人体モデルを形成するボクセル数を低減するアルゴリズムとして"マルチステップ・ラティス・ボクセル法"を開発した。この手法は、512×512ピクセルのCTスライスを32×32ブロックに領域分割し(1ブロック:16×16ピクセル)、1ブロック内の材質が全て同じ場合は、1つのボクセルブロックに置き換える。もし2種類以上の材質が混在する場合は、そのままピクセルレベルのボクセルブロックを作成する。この手順をラティス機能を多用してボクセルブロックを多段階に積参重ねて3次元の人体モデルを形成する。この手法で作成したモデルは、全てピクセルレベルのボクセルで構成したモデルに対してボクセル数を大幅に減少できる一方で、材質構成的には同一である。水ファントム体系で実施した検証から、全てピクセルレベルのモデルに対して、マルチステップ・ラティス・ボクセル法によるモデルの線量計算は、計算時間を約50%短縮できた。一方、計算結果は統計誤差の範囲内で一致した。本成果は平成22年に開催される中性子捕捉療法学会国際学会(ICNCT14、アルゼンチン)、モンテカルロ国際学会(SNA-MC2010、東京)などの学会で報告する。平成22年度は、この手法を複数スライスにまたがって実行し、さらにボクセル数を減少させるアルゴリズムを検討する。
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