2009 Fiscal Year Annual Research Report
Zn-63の物理的・生物学的特性を利用する腫瘍PET診断薬剤の開発研究
Project/Area Number |
20591488
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
古川 高子 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージングセンター, チームリーダー (00221557)
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Keywords | 亜鉛 / 腫瘍 / イメージング / Zn-63 / Zn-EDDA |
Research Abstract |
インビトロ培養ヒトがん細胞による検討において、EDTA, Glycineなどをリガンドとして使用し、EDDAをリガンドトした場合とZn-65の細胞への取り込みを比較したところ、少なくともインキュベート時間1時間まででは安定な亜鉛キレートを形成するもの(stability constantの高いもの)ほど細胞への取り込みが低い傾向が見られた。異なる細胞間の取り込みの高低の順位はリガンド間でほとんど変わらず、今回使用したリガンドの間では共通した機序による亜鉛の取り込みが行われていることが推測された。 培養がん細胞の細胞内亜鉛濃度と亜鉛の取り込みについて、前年度の10種とあわせ、計16種の細胞について比較したところ、両者の間には正の相関関係が認められた(R^2-0.74,p<0.001)。 インビトロの検討に使用したヒトがん細胞のうち、ヌードマウスへの皮下移植により腫瘍の形成が認められた8種について、担がんマウスにZn-65-EDDA(Zn:EDDA=1:2.2,投与量:1mgZn/kg)を投与、1時間後の腫瘍および各種臓器への集積を検討したところ、腫瘍への集積は2.3-4.2%ID/gで、in vivoでの腫瘍結節への集積と、培養時の細胞への取り込みの間には正の創刊が認められた(R2=0.53,P<0,05)。 以上の結果より、各細胞種の亜鉛要求性を反映していると考えられる細胞内の亜鉛濃が、細胞培養時、in vivoでの腫瘍細胞へのZn-65-EDDA取り込みを規定しているものと推測された。
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