2009 Fiscal Year Annual Research Report
情報学的手法を用いた癌リンパ節転移の進行形式の研究
Project/Area Number |
20591489
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鬼丸 力也 Hokkaido University, 大学病院, 助教 (80374461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 正弘 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70174026)
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Keywords | 放射線治療 / リンパ節転移 / 情報学的手法 / 頭頚部癌 / 総治療期間 / 強度変調放射線治療 |
Research Abstract |
昨年度に作成した、北大病院にて放射線治療を行った舌癌の患者のデータベースの解析方法を検討した。Bioinformatics分野で利用されている、Minimus spanning tree(MST)と呼ばれる方法や分子系統樹推定の方法が有望であると思われた。 強度変調放射線治療が頭頚部癌で使用されるようになってきている。強度変調放射線治療では、線量分布の実現に自由度が高い反面、どのリンパ節領域の線量を少なくするかによってはリンパ節再発の頻度が増える恐れがある。強度変調放射線治療での再発形式や合併症を検討することで、どのリンパ節領域に転移の頻度が高いかを知ることに加え、線量の適切さ、照射部位の適切さ、などを検討することが可能と思われた。 中咽頭癌で頚部リンパ節転移が発生したと判断された症例があったが、すでに転移リンパ節に対する線量が少なくなっていたことが判明し、治療前の病期診断が重要であることが示唆された。また、わずかではあるが、中咽頭後壁の癌で咽頭膿瘍が発生し、上咽頭癌では仮性動脈瘤破裂などの重篤な晩期障害が発生していることを報告した。頚部リンパ節領域で、最初からリンパ節転移がなかった部位に新たにリンパ節転移が発生することは無かった。 強度変調放射線治療の再発形式の研究からは、現在の方針であれば頚部リンパ節再発のリスクはかなり低いことが示唆された。しかし、重篤な合併症がわずかとはいえ発生していることが確認できた。今後普及すると思われる治療法であるが、その実施に当たっては十分な注意が必要と思われた。
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Research Products
(8 results)