2009 Fiscal Year Annual Research Report
重症虚血肢に対するハイブリッド治療-センダイウィルス遺伝子治療と細胞移植療法-
Project/Area Number |
20591520
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 昌義 Nagoya University, 医学部附属病院, 助教 (60329381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40225587)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
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Keywords | 重症虚血肢 / 遺伝子治療 / ハイブリッド治療 / シロスタゾール |
Research Abstract |
シロスタゾールには血管新生効果があり、この作用はNOを介した経路によって機能していることが前年度の研究結果より推測された。本年度は重症虚血肢に対するセンダイウィルスを用いた遺伝子治療と自己骨髄細胞移植あるいは末梢血単核球細胞移植療法のハイブリッド治療の完成を目指すための基礎研究としてマウス重症虚血肢モデルにおけるシロスタゾールの血管新生効果の更なる検討を行った。 【方法】 マウス野生型を用いて左大腿動脈およびその分枝を結紮して虚血モデルを作成しシロスタゾール投与群(Cil群)と通常飼料投与群(Ctr群)で術後5日目虚血肢筋肉サンプルを採取して蛋白の電気泳動および免疫染色であるWestern blottingを行い、eNOS、リン酸化eNOS、α-Tublinの発現を比較検討した。 【結果】 Cil群ではCtr群と比較し、α-Tublin、TOTALのeNOSでは2群間に差を認めなかったが、Ser1177のリン酸化eNOSはシロスタゾール群で増加していることが判明した。以上よりシロスタゾール投与により、術後5日目の時点で、蛋白量とeNOSの総量には変化がみられず、eNOSの活性化が増加することが解った。 【今後の課題】 本年度における標本の筋肉組織サンプルからの研究によりシロスタゾールの血管新生効果にNOが関与していることが判明したが来年度はさらにVEGF、HGF等をはじめとした分子物質の発現に関して検討し、重症虚血肢に対するセンダイウィルスを用いたハイブリット治療の臨床応用へ進展させることが引き続きの課題である。
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