2008 Fiscal Year Annual Research Report
膵島移植長期成績改善のためのオートファージ阻害剤による免疫抑制副作用制御法の開発
Project/Area Number |
20591524
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 壽記 Osaka University, 医学系研究科, 寄附講座教授 (20231152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 匡弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379250)
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Keywords | 膵島移植 / I型糖尿病 / オートファージ / mTOR inhibitor / 長期成績 |
Research Abstract |
【研究目的】 膵島移植の「長期成績改善」を目指し研究を行った。 【研究方法および研究結果】 オートファジー様細胞死と移植膵島傷害との関連を解析した。ラパマイシンは、膵島移植後に用いられる中心的免疫抑制剤であり、その薬理効果はmammalian target of rapamycin(mTOR)阻害剤である。1ng/mlまたは10ng/mlのラパマイシン濃度でマウス膵島を処理した。その結果、オートファジー誘導のマーカーであるLC3-IIタンパクの膵島細胞内蓄積を確認し、さらに膵島のviabilityも約50%抑制されることをMTS assayで確認した。また、膵島からのインスリン分泌能をグルコース負荷テストで解析した結果、10ng/mlラパマイシン処理ではインスリン分泌はほぼ完全に抑制された。一方、オートファジー阻害剤である3-methladenine(3-MA)で追加処理することによりLC3-IIタンパク膵島細胞内蓄積、膵島viabilityさらに膵島インスリン分泌能を有意に改善させることができた。従って、膵島におけるオートファジー誘導は膵島移植の遠隔成績に強く関与していることが示唆され、移植用膵島におけるオートファジー制御は移植膵島の品質保持、ひいては長期生着に有用であることが示唆された。 【まとめ】 膵島にオートファジーが起こることを確認でき、膵島のviabilityに負に作用することを明らかにした。さらに、オートファジー阻害剤である3-MAを膵島に投与することで、オートファジーによる膵島傷害性が回避されることを認めた。今後、膵島インスリン分泌など内分泌機能への影響を解析し、さらにin vivoにおいても移植膵島にどのように影響するかを探究する計画である。
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Research Products
(4 results)