2008 Fiscal Year Annual Research Report
多標的性miRNAのphenotypeを利用した炎症及び癌に対する治療戦略
Project/Area Number |
20591530
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蒲原 英伸 Kumamoto University, 医学部附属病院, 講師 (90398222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 昌彦 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80284769)
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Keywords | microRNA / cancer / inflammation / 分子生物学 / 実験外科学 |
Research Abstract |
炎症と癌は密接に関与し、発癌および癌進展に関与することが証明されてきている。我々は炎症と癌のを仲介するmicroRNAを同定し、microRNAの機能明らかにし、治療応用の可能性を追求することを目標とした。まず、炎症に関わるmicrRNAの同定のため、手術の急性期の血清中とドレーン廃液中の白血球を分離し、RNAを精製分離した。 最近の報告から、炎症制御に関わるmicroRNAが少なからず報告されてきた。その中でも、miR-21, miR-146a, miR-155について検討した。miR-21では、術前の白血球より、術後の血清とドレーン中の白血球において発現が有意に増強していた。また、miR-146aとmiR-155では、腹部ドレーン中の白血球において有意に増強していた。In-vitroにおいてTHP-1(単球由来白血球細胞株)を用いてTNFalpha, IL-1beta刺激時におけmicroRNA発現について検討した。Let-7aとmiR-21が経時的・濃度依存的に有意に増強していた。 急性相反応蛋白であるIL-6は臨床病態(敗血症や癌悪性度)と相関し、容易に血清中で測定できるサイトカインの一つである。そこで、IL-6と癌細胞の影響を検証するため、癌細胞にIL-6にて刺激し、増殖・浸潤能を検証したところ、有意に増殖・浸潤能を亢進させる癌細胞株が複数存在した。これらの細胞を用いて、IL-6刺激時におけるmicroRNAの発現についてqRT-PCRにて検討した。Let-7aは有意に発現が低下し、maiR146aは増加していた。以上により、炎症時における修飾制御をうけるmicroRNAがいくつか存在したが、今後はそのターゲットと機能的意義について検討していく予定である。
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Research Products
(14 results)