2009 Fiscal Year Annual Research Report
多標的性miRNAのphenotypeを利用した炎症及び癌に対する治療戦略
Project/Area Number |
20591530
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蒲原 英伸 Kumamoto University, 医学部附属病院, 講師 (90398222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 昌彦 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80284769)
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Keywords | microRNA / Cancer / Inflammation / 分子生物学 / 実験外科学 |
Research Abstract |
炎症に関連するmicroRNAを網羅的に検証するため、THP-1細胞株(単球由来)を用いて、LPS刺激と非刺激を比較検証した。癌や炎症関連として報告されているmicroRNAを中心として約80種類のmicroRNAに絞込み、polyA tailed qRT-PCR法にて試みた。LPSにて増強・減弱するmicroRNAを数十種類同定できた。現在、臨床検体(特に敗血症や感染症など)を用いて、同定されたmicroRNAの再現実験を行っている。外科手術後のドレーン廃液中の白血球は、血清中と比してサイトカインが大量に分泌され、激しい炎症が局所で惹起されていることが示唆されたが、microRNAも同様に過剰に発現していることが分かってきた。この中でmiR-21, 146aなどは炎症のシグナル伝達分子をターゲットとし、炎症を負に制御するため、やや遅れて発現していた。最近、血清中にもmicroRNAが測定可能であるとの報告が散見されているので、診断として意義の可能性について検証していきたい。 炎症性サイトカインのIL-6の癌細胞に与える影響について不大腸癌・膵臓癌細胞を用いて検証を行ってきたが、IL-6がSTAT3の活性を介して、癌の進展(増殖・浸潤)に関与していた。大腸癌細胞株にIL-6刺激によりlet7aの低下が確認されたが、MYC, RAS, cyclin D2, RB1, E2F5などの癌細胞の増殖に関与する遺伝子を制御している。一方、miR-146aはIL-6により増強されたが、NFkappaBのジグナル伝達に関与するIRAK1, TRAF6をnegative feedbackに制御している。今後、炎症と癌の接点を明らかにするため、IL-17、TGFbetaなどとの関連性も明らかにしていきたい。
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Research Products
(7 results)