2010 Fiscal Year Annual Research Report
多標的性miRNAのphenotypeを利用した炎症及び癌に対する治療戦略
Project/Area Number |
20591530
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
蒲原 英伸 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90398222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 昌彦 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80284769)
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Keywords | microRNA / Cancer / Inflammation / 分子生物学 / 実験外科学 |
Research Abstract |
急性および慢性炎症の指標として、C-reactive protein (CRP)が挙げられるが、進行癌においてCRPが上昇し、予後悪化因子の一つであることが、各種癌において報告されている。炎症に関連するmicroRNAを明らかにするため、外科手術(食道癌・胆石・ヘルニア等)前の血清中のCRPとmiR-21の発現を検証した。CRPとmiR-21発現に正の相関傾向を認めた。また、miR-21はTHP-1細胞株(単球由来)において、TNFalpha, IL-1beta, LPSの存在下にて濃度依存性に発現増強しており、炎症に特異的な指標の一つになりえる可能性がある。最近、miR-21はPDCD-4を介してnegative feed backとしてNFkappaBを抑制することが報告されており(Nature Immunology, 2009)、miR-21が炎症を惹起するのか、炎症後の反応なのか今後明らかにしていきたい。この他に炎症に特異的に発現が増強するmicroRNAが同定できた(miR-24, 25, 34a, 27a, 29a, 181d, 199a, 132, 1826など)。これら意義と臨床応用(診断・治療)の可能性について続けて検証していく予定である。 膵臓癌細胞における炎症を検証するために、IL-6とその受容体の発現を解析したが、受容体は解析した全てに認めたが、IL-6はいくらかに認めた。IL-6の存在下で、膵癌細胞はSTAT-3を活性化させ、浸潤能と運動能を有意に亢進させた。この際、miR-155と146aが濃度依存的に発現が亢進していた。また、線維芽細胞と癌細胞のcross talkを検証するため、co-cultureや培養上清の交換添加の結果より、線維芽細胞の存在によりIL-6の発現はより亢進し、tumor microenvironmentにおいてはより炎症が惹起され易い環境状態になっていることが予想された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Clinical significance of dihydropyrimidine dehydrogenase and thymidylate synthase expression in patients with pancreatic cancer.2010
Author(s)
Nakahara O, Takamori H, Tanaka H, Sakamoto Y, Ikuta Y, Furuhashi S, Watanabe M, Beppu T, Hirota M, Kanemitsu K, Baba H.
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Journal Title
Int J Clin Oncol.
Volume: 15
Pages: 39-45
Peer Reviewed
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