2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャルドナーを増やすための補助検査を用いた脳死判定に関する研究
Project/Area Number |
20591536
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
横田 裕行 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (60182698)
|
Keywords | 脳死 / 補助検査 / ABR / SSPE |
Research Abstract |
脳死症例における脳幹機能の評価を電気生理学的にするにはABR, SSEP検査が必須であるが、ABRにおいては導出する電極のモンタージュは通常検査の場合と同様である。一方、脳死症例の脳幹機能を検査するためのSSEPのモンタージュに関しては一定の方式がないのが現状だが、我々が開発したモンタージュ法でSSEPを行った。SSEPは日本光電製NeuropachΣを使用し、測定感度10μV/div、フィルタ帯域5~2000Hz、加算回数1000回、刺激頻度5Hzで左右の正中神経を刺激して測定する。 電極はP9、P13、N18、N20が同定しやすいようにCPc(左刺激ではC4とP4の中間、右刺激ではC3とP3の中間)、Cpi(CPcの対側)、Fz、REF(刺激対側のErb点)、C2s(第2頸椎棘突起上)、A1を選択し、モンタージュは第1チャンネルをFz-CPc、第2チャンネルをCPc-REF、第3チャンネルをAi-CPi、第4チャンネルをCPi-C2sとした。前年度の研究でABRとSSEPは互いに補完し合う誘発電位検査であることが明らかになったが、さらに我々のモンタージュで検査したSSEPは下部脳幹である呼吸中枢に隣接といわれる楔状核の機能をN18という電位で評価することが明らかになった。さらにN18に加え、P13, ABRのIII波に注目し脳死例、非脳死例で評価を行った。 以上より、脳死症例における脳幹機能の評価に際して、電気生理学的検査であるSSEP検査はABR検査を補完するばかりでなく、下部脳幹機能を評価することが可能で、極めて有用であることが明らかになった。
|