2010 Fiscal Year Annual Research Report
電子スピン共鳴(ESR)装置を用いた、膵島移植における膵島障害メカニズムの解析
Project/Area Number |
20591539
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Research Institution | 国立病院機構 千葉東病院 |
Principal Investigator |
丸山 通広 独立行政法人国立病院機構(千葉東病院臨床研究センター), 移植・再生医療研究部, 室長 (40399754)
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Keywords | ヒドロキシラジカル / 膵島分離 / スピントラップ法 |
Research Abstract |
1.ヒドロキシラジカルの測定。 10 mMの過酸化水素、スピントラップ剤として10mMの2-(5,5-Dimethyl-2-oxo-2λ5-[1,3,2]dioxaphosphinan-2-yl)-2-methyl-3,4-dihydro-2H-pyrrole 1-oxide (CYPMPO)を含むリン酸緩衝液へ10秒間紫外線照射を行い、直ちにESRにて測定した。ESRの設定は、磁場領域336.5±5 mT、変調幅0.2 mT、マイクロ波強度10W、時間定数0.03秒とした。CYPMPO-OHアダクトである6本波を観測した。 2.各種膵保存液のヒドロキシラジカル消去効果の測定。 上記1.のヒドロキシラジカル発生系へ細胞内液組成であるUniversity Wisconsin液(UW液)、細胞外液組成であるET-Kyoto液をそれぞれ10倍希釈、2倍希釈に調整して紫外線照射し、ESRにて測定したが、明らかなヒドロキシラジカル消去効果は得られなかった。 3.膵島収量へのビリベルジンの効果は活性酸素の抑制によるものかの検討。 ラット膵島分離に際し、リベレース溶液中にビリベルジンを混じると、膵島収量が増加する。コントロール:1193±223 IEq、ビリベルジン1mM:1328±358 IEq、10mM:1616±451 IEq、100mM:1527±403 IEq。それぞれの温消化中の上清をサンプリングし、ESRにて測定したものの、明らかなヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドラジカルのアダクトは測定できなかった。 膵島分離の際に用いるリベレース溶液の生産中止の影響により、日本では3年以上臨床膵島移植が中断している。今秋にも再開予定であり、再開した際には、レシピエントのサンプルを用いて、活性酸素を測定する予定である。
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