2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写・DNA修復関連蛋白YB-1の消化器癌の進展・悪性化、抗癌剤耐性における役割
Project/Area Number |
20591548
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
掛地 吉弘 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (80284488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 勝 九州大学, 大学病院, 講師 (30294937)
定永 倫明 九州大学, 医学研究院, 非常勤講師 (20304826)
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Keywords | 抗癌剤耐性 / DNA修復 / YB-1 / 胃癌 / 食道癌 |
Research Abstract |
抗癌剤でMDRIプロモーターが誘導され、P-糖蛋白質の発現が亢進されること、MDRI遺伝子の近位プロモーター近傍に存在する逆行CCAAT配列とそれに結合するYB-1が薬剤応答による遺伝子発現に重要な鍵を握ることが明らかにされてきた。YB-1は多くの増殖細胞で発現するユピキタス蛋白であり、(1)逆行CCAAT配列をプロモーター領域にもつ遺伝子の発現に関与する転写因子としての機能だけではなく、(1)RNAと結合して観訳を調節していること、(3)障害DNAを認識してDNA修復に関与していることが報告され、YB-1は細胞の外界ストレスに対する防御基点としての役割が明らかにされっつある。YB-1は犠々な癌腫での細胞増穂、進展、悪性化、さらには抗癒剤に対する耐性化に深く関わる。 YB-1の消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)での発現や細胞内局在を臨床検体を用いて解析した。 消化器癌におけるYB-1の核内発現の意義を明らかにすることを目的に、食道癌、胃癌、大腸癌臨床検体のホルマリン固定パラフィン包埋薄切切片を用いた免疫化学組織染色にてYB-1蛋白の細胞内局在を同定した。 YB-1の核移行率は、食道癌(n=30)、胃癌(n=0)、大腸癌(n=5)で各々、43%,50%,40%であった。 今後、各癌腫別の抗癌剤治療前後の核移行について検討を重ねる。 消化器癌(食道癌、胃癌、大腸癌)におけるYB-1の発現、細胞内局在と悪性度、病態や抗癌剤感受性との関連を明らかにすることで、抗癌剤治療に対する感受性や抵抗性のメカニズムの一端が明らかになり、治療効果の予測や治療戦略の構築への展開が期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Acute lung injury following an esophagectomy for esophageal cancer, with special reference to the clinical factors and cytokine levels of peripheral blood and pleural drainage fluid.2008
Author(s)
Morita M, Yoshida R, Ikeda, K, Egashira A, Oki E, Sadanaga N, Kakeii Y, Ichiki Y, Sugio K, Yasumoto K, Maehara Y.
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Journal Title
Diseases of the Esophagus. 21
Pages: 30-36
Peer Reviewed
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