2008 Fiscal Year Annual Research Report
治療標的となる乳癌幹細胞の再生・維持機構の解析と治療応用への展開
Project/Area Number |
20591550
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 真 Kyushu University, 大学病院, 助教 (60403961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
小島 雅之 九州大学, 大学病院, 助教 (90380394)
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Keywords | Cancer stem cell / 乳癌 / 薬剤耐性 / 形態形成シグナル / Side population / CD44+24- / low細胞 |
Research Abstract |
癌細胞は自己複製能と分化能を合わせ持つ幹細胞様の細胞(cancer stem cell=CSC)から発生するという考えが近年一層注目されているが、効果的で持続的な治療を行うにはCSCに対する治療法を開発し確立する必要がある。本研究の主目的はCSCを同定すること、CSCに対する治療法を開発することである。前年度の研究期間中に、乳癌細胞や乳癌組織から腫瘍幹細胞(CSC)と矛盾しない新たな細胞群が報告されたが、我々はこれら腫瘍幹細胞をcell sorterにて高純度に分離・解析することに成功している(稔naka H, et al.2009)。(1)Cell sorterにより腫瘍幹細胞(CSC)を分離・採取し、ヌードマウスに移植すると通常のCell lineと比べ1/100〜1000の細胞数で生着することを確認した。さらに、分離・採取したCSCで増殖・抗アポトーシス・浸潤関連分子やシグナル経路の重要分子の発現をreal-time RT-PCRにて網羅的に解析した。特に、形態形成シグナル(Hedgehog, Notch, Wntなど)が重要な役割を果たしていることを確認した(Tanaka H, et al.2009)。(2)上記解析結果に基づき手術時摘出乳癌組織における発現をreal-time RT-PCRおよび免疫組織染色にて確認した。CSCと考えられているSide population細胞とCD44+24-/low細胞との間には強い相関関係があることを見いだしているが、いずれも抗癌剤との共培養で増加する薬剤耐性を示す。以上より、従来の抗癌剤抵抗性と考えられる乳癌CSCにおいて、形態形成シグナルは重要な役割を果たしており、有力な治療標的となることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)