2009 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo イメージングシステムを用いた膵癌実験モデルおよびその応用
Project/Area Number |
20591556
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
内田 英二 Nippon Medical School, 大学院・医学研究科, 教授 (70176684)
|
Keywords | 膵癌 / 実験モデル / イメージング |
Research Abstract |
予後不良の膵癌に対する有効な新規治療法の開発を目的として、血管新生抑制作用とともに癌細胞特異的にアポトーシスを誘導するMelanoma Differentiation Associated Gene-7/Interleukin-24(MDA-7/IL-24)による新規遺伝子治療の有効性をIn vivoイメージングシステムを用いた実験膵癌モデルによって検討した。【方法】(1)実験膵癌モデルの作製(n=30):ルシフェラーゼ発現膵癌細胞をハムスターに移植し膵癌転移モデル動物の作製を行う。雌雄差、投与細胞数、癌細胞移植経路につき検討し、有効なモデルを確立する。(2)遺伝子治療による抗腫瘍効果の検討(n=20):MDA-7/IL24発現AAVベクターを実験モデルに投与し、腫瘍抑制効果、転移抑制効果をIn vivo imaging system(IVIS)にて経時的に検討する(ROI値の変動)とともに、生存期間、血管新生抑制効果、アポトーシスの誘導等を検討する。【結果】(1)膵癌転移モデル動物の作製:検討の結果、4週齢雄ハムスターに対し4×10^7個/0.1mlで癌細胞を投与する膵内移植モデルの本実験の基本モデルと決定した。(2)抗腫瘍効果の検討:処置群では、治療ベクター投与後にコントロール群に比べ有意なROI値の低下はみられなかった。しかし、同時に測定された血中IL-24値も両群ともベクター投与後に有意な上昇を認めなかった。処置群とコントロール群の間に生存期間の有意差はみられなかった。【考察および今後の方針】原因は今回使用した治療ベクターでは十分なIL-24を発現できず、その結果、抗腫瘍効果が発揮されなかったと考えられる。今後は、IL-24高発現のベクターを作製し治療実験を施行するとともに、より感度の良いルシフェラーゼ発現膵癌細胞株の作成に努める予定である。
|
Research Products
(2 results)