2008 Fiscal Year Annual Research Report
トリプルネガティブ乳癌の治療法開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
20591561
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
紅林 淳一 Kawasaki Medical School, 医学部, 准教授 (10248255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 卓也 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00230160)
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Keywords | 乳癌 / トリプルネガティブ / Src / BRCA1 / エトポシド / ダサチニブ |
Research Abstract |
乳癌患者の予後やホルモン療法、抗HER2モノクローナル抗体療法に対する治療効果を予測するため、乳癌組織におけるエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2の発現が臨床の場でルーチンに検査されている。これら3つの因子すべてが陰性の乳癌がトリプルネガティブ(以下TN)乳癌と呼ばれている。TN乳癌は、ホルモン療法や抗HER2療法が無効であり、抗癌化学療法のみが治療に用いられている。TN乳癌は、生物学的悪性度が高く、早期に遠隔転移を起こしやすく、きわめて予後が悪い。そのためTN乳癌の新たな治療法の開発が急務となっている。 Intrinsic subtype分類の4種類のサブタイプを網羅するヒト乳癌細胞株のパネルを用い、TN乳癌に特徴的な各種遺伝子の発現レベルを検討した。また、これまでにTN乳癌に有効性が示唆されているDNA傷害性薬剤、各種分子標的薬剤の各々単独処理時の細胞増殖抑制効果を検討した。さらに、細胞増殖抑制効果の強い薬剤の細胞周期、アポトーシスに与える影響を解析し、細胞増殖抑制効果の作用機序を検討した。 その結果、epithelial-mesenchymal transitionを示すTN乳癌細胞株では、Srcシグナル伝達阻害薬dasatinib(主にG1-S移行阻害)やDNA障害性薬剤etoposide(主にG2/M移行阻害とアポトーシス誘導)に対して極めて感受性が高く、両者の併用が相加的に働くことが判明した。これらの結果を踏まえ、両薬剤の乳癌幹細胞に与える影響の解析、摘出乳癌組織におけるSrcシグナルの活性化(c-Src,p-Srcの免疫組織化学的検討)を追加的に検討している。
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Research Products
(11 results)