2009 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌患者の末梢血中腫瘍細胞の解析:癌幹細胞との関連と臨床応用への展開
Project/Area Number |
20591568
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡部 寛 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (10335250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小濱 和貴 京都大学, 医学研究科, 助教 (50322649)
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Keywords | 末梢血中腫瘍細胞 / 胃癌 |
Research Abstract |
近年、ティーエスワシとシスプラチンを用いた術前化学療法によって、予後の不良なIV期胃癌症例の治療成績が明らかに向上している。しかし、非奏功例では手術による延命効果を認めない。よって、手術適応の決定のために、化学療法の治療効果判定は極めて重要な意味をもつと予想している。 これまでに術前化学療法施行例を含めて、進行胃がん患者49人に対して、末梢血中腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)測定を施行した。臨床病期別の陽性率は、Stage IB7.7%, Stage II 0%, Stage III 6.3%, Stage IV 43.8%、全体で18.4%(9/49)であり、臨床的に遠隔転移のあるIV期では高率に検出される傾向がみられた。臨床的な治癒切除可能例での検出割合は予想よりも少なく、また、陽性例でも手術や化学療法の奏効により消失がみられる例も認められ、将来IV期癌症例の中で、CTCの陽性・陰性により、手術適応症例を選別できる可能性が考えられるデータと思われる。 現在、予定解析症例数までさらにデータの蓄積をおこないながら、化学療法のレジメン別の奏効有無とCTCとの相関の検討を開始している。予定症例集積が終了後、胃がんに特徴的なHER2などの分子の免疫染色データと照合を行い、胃がん臨床におけるCTCめ意義につき十分な検討を行う予定である。
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