2009 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮癌の発生・進展に関与するプロテインフォスファターゼの変異・機能解析
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20591576
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
岩谷 岳 Iwate Medical University, 医学部, 助教 (70405801)
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Keywords | 癌 / 外科 / 遺伝子 / 蛋白質 |
Research Abstract |
(1)大腸癌で高頻度に変異が報告されている6つのフォスファターゼ遺伝子PTPRT,PTPN13/14,PTPRG,PTPRF,PTPN3のcording regionについて、食道癌における変異をRT-PCR Direct sequenceを用いて検索中である。増幅しにくい領域も多<primer・PCRの条件を設定中である。(2)フォスファターゼ変異による薬剤刺激に対する分子反応検索を並行して施行してきた。食道癌におけるPTP変異がまだ同定されていないため、大腸癌細胞株を用い検索を施行した。大腸癌細胞株における5-FU,CDDP、CPT-11の薬剤刺激に対する細胞内分子反応を経時・定量的に解析した。薬剤に対する分子反応は薬剤の種類、濃度条件で大きく異なっていた。この細胞株における反応を対照とし、PTP変異株における薬剤刺激後の分子反応を比較検討中である。(3)食道扁平上皮癌検体と化学痕法感受性54例の進行食道がんに対し術前化学療法を施行した。36例に対し標準治療である5-FU/CDDP(FP)療法を、18例に対しFPにDocetaxelを上乗せした新規抗癌剤治療Docetaxel/CDDP/5-FU(DCF)療法を施行した。奏効(PR)例はCF:34%,DCF:56%でCF群32例、DCF群10例で食道切除術を施行した。docetaxelの上乗せで臨床的・組織学的に抗腫瘍効果の増強を認め、生存率の改善を得た。抗腫瘍効果はCRに近いものから無効例まで存在し、切除例すべての癌組織・正常食道粘膜組織を採取し、DNAを抽出した。これらの検体から上記(1)のprimer条件設定後変異の有無を確認し、(1)の各薬剤の濃度や薬剤併用時などの様々な条件における分子反応と臨床効果を比較検証する。
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Research Products
(1 results)