2008 Fiscal Year Annual Research Report
GISTにおけるがん幹細胞の同定と機能解析;グリベック耐性克服を目指して
Project/Area Number |
20591579
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
才川 義朗 Keio University, 医学部, 講師 (00225682)
|
Keywords | GIST / がん幹細胞 / グリベック |
Research Abstract |
GISTは、年間10万人に2人程度の発症率といわれており、近年、消化管全般に幅広く分布する間葉系腫瘍(Gastrointestinal mesenchymal tumor:GIMT)の大部分を占める1つの腫瘍単位とみなされている。これまでの研究によりGISTは、カハール介在細胞を発生起源とする腫瘍であることが示唆されており、KITやCD34がその分子マーカーとされる。 一方、CDI33は神経系腫瘍、前立腺癌、大腸癌等においてTumor-initiating cellsのマーカーとして注目されるが、GISTにおけるCD133の発現と意義は不明である。 今年度の研究において、GIST臨床検体由来細胞の樹立及びCDI33の発現と機能について検討した。臨床検体を用い、初代培養及びNOGマウスへの移植を行った結果、入手検体(n=19)中、初代培養により1細胞株及びNOGマウスへの移植により2つのxenograftが樹立された。これらの細胞を用いたFACSによるCD133の発現解析によりCD117発現細胞とMargeするCD133陽性細胞が同定された。また、CD133高発現細胞のNOGマウスでの造腫瘍性は、CD133発現と正の相関を示した。Imatinibに対する感受性評価では、CD133陰性細胞に比べ、CD133陽性細胞で有意に耐性能を示した。GIST細胞の一部はCD133を発現し、腫瘍形成能、薬剤耐性などに関わる可能性を示した。
|