2010 Fiscal Year Annual Research Report
GISTにおけるがん幹細胞の同定と機能解析;グリベック耐性克服を目指して
Project/Area Number |
20591579
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
才川 義朗 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00225682)
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Keywords | GIST / がん幹細胞 / グリベック |
Research Abstract |
CD133は神経系腫瘍、前立腺癌、大腸癌等においてTumor-initiating cellsのマーカーとして注目される。われわれは、GISTにおけるCD133の発現と機能について臨床検体、GIST由来初代培養2細胞株及び3つのxenograft Linesを対象に解析を行った。初代培養細胞の腫瘍形成能の評価をSCIDマウスへの皮下移植により評価した結果、GIST7及び22で腫瘍形成を確認することができた。また、病理解析では、紡錘状の組織像を有し、免疫組織染色ではKITが陽性であった。フローサイトメーターによるCD133の発現解析では約2%のCD133陽性細胞を検出した。さらに、KIT発現細胞とMargeするCD133陽性細胞が同定された。また、CD133高発現細胞のNOGマウスでの造腫瘍性は、CD133発現と正の相関を示した。Imatinibに対する薬剤感受性試験では、CD133陰性細胞に比べ、CD133陽性細胞で有意に耐性能を示した。GIST細胞の一部はCD133を発現し、腫瘍形成能、薬剤耐性などに関わる可能性を示した。病理学的検証を免疫組織染色法により評価をおこなった。症例背景は、症例数;62例、性別;男性33例/女性29例、年齢:26-86歳、Size;1.5-23cm、Delle+/-;12例/38例、KIT陽性率;95.2%、CD34陽性率;98.4%、Mitotic rate(/50HPF);0-5(43例)/6-10(9例)/11-(7例)、Risk;Low(29例)/Intermediate(20例)/high(11例)である。判定結果として、CD133陽性率は80.6%(50/62)であり、GISTに対する特異性が示された。
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