2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591580
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
笹子 三津留 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (40143490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 麗月 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90319864)
藤原 由規 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10258155)
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Keywords | 癌幹細胞 / 胃癌 / polycomb群 / hedgehog情報伝達系 / 分化 |
Research Abstract |
H.pylori菌感染は胃粘膜において直接的なシチジンデアミナーゼ(AID)の変化のみならず各種morphogenの変化を惹起することが知られている。私達は胃癌発癌において胃分化発生に関わるhedgehog(Hh)情報伝達系の関連等を解析にとりかかるべく、本年度では各病期別患者のフォローアップデータを登録・整理してきた。一方、preliminary studyとして、データ解析可能な食道癌ではHh情報伝達系の下流に位置するpolycomb group (PcG)familyのBMI1発現の臨床的意義について検討した。 【方法】術前CRT施行後食道扁平上皮癌患者78例において免疫組織学的染色を行いBMI1発現を検討し、3年生存率との関連を統計学的に解析した。 【結果】BMI1(+)群は24例(30.8%)で、そうでない群に比較して有意に不良な転帰を示した;mean disease-free survival (DFS) time 16.8 vs 71.2 months; 3-yr DFS 13.3% vs 49.9%, P=0.002; mean overall survival (OS) time 21.8 vs 76.6 months; 3-yr OS 16.2% vs 54.9%, P=0.0005。 【意義】Hh-PcG経路の活性化は、CRT施行食道癌術後早期再発のindicatorとなり、また'more aggressive'な特徴を示すCRT抵抗性cancer stem cellを反映するsurface markerとなりうることが明らかになった。Hh経路は食道のみならず胃でも分化・癌化に深く関わっている可能性が高く、Hh-PcG経路を解析することが来年度以降の重点課題となることが明らかになった。
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