2009 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的特性からみた食道扁平上皮癌の新しい治療方針の確立
Project/Area Number |
20591582
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
花桐 武志 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 准教授 (30299614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452)
小野 憲司 産業医科大学, 医学部, 助教 (40369062)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
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Keywords | 食道癌 / 扁平上皮癌 / ERalpha / ERbeta / 抗腫瘍効果 / topoisomerase-I |
Research Abstract |
1997年1月から2007年12月までの食道扁平上皮癌切除症例48例のうち、解析可能な検体が存在した29例(男性31例,女性3例)を対象とし、topoisomerase-Iの発現を免疫組織学的染色法にて解析した。結果は、陽性例は29例中18例で陽性率62%であった。陽性率は男性62%、女性67%であった。陰性例と陽性例の分化度をみると、陰性例のうち、高分化は1例(9%)、中・低分化は10例(91%)であり、陽性例では、高分化0例、中・低分化6例(100%)で両群間に有意差を認めなかった(p=0.19)。t因子別では陰性例でt1:5例(45%)、t2:1例(9%)、t3:3例(27%)、t4:2例(18%)、陽性例でt1:4例(22%)、t2:1例(6%)、t3:12例(67%)、t4:1例(6%)であり、両群間に有意差は認めなかった。病理病期別では陰性例で0期:1例(9%)、I期:1例(9%)、II期:5例(45%)、III期:1例(9%)、IV期:3例(27%)、陽性例で0期:0例、I期:2例(11%)、II期:6例(33%)、III期:8例(44%)、IV期:2例(11%)であり、両群間に各臨床因子との有意な相関は認めなかった。発現別の5年生存率は、陰性23.6%、陽性37.3%であり、陽性例において予後良好の傾向にあった。 食道癌において、topoisomerase-Iの発現を認める症例を約60%に認めたが、これらの症例でCPT-11の効果予測が可能か検討を継続する。さらに、今後も食道癌の予後因子および治療効果予測因子となる分子の検索を続けていく。
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Research Products
(1 results)