2009 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔鏡手術は低侵襲か?-炭酸ガス気腹による細胞機能変化の分子生物学的解析-
Project/Area Number |
20591590
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 聡 Hiroshima University, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座講師 (60397924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 正純 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 寄附講座教授 (90274068)
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Keywords | 腹腔鏡手術 / 低侵襲手術 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、一般的に「低侵襲」と考えられている腹腔鏡手術が本当に低侵襲なのか、またその低侵襲であるメカニズムは何なのかを明らかにすることである。さらにはこのメカニズムを解明することで腹腔鏡手術をより低侵襲で腫瘍学的にも優れた手術に発展させることを目的としている。 まず、私共はブタを用いて炭酸ガス気腹の肝機能に及ぼす影響を解析した。炭酸ガスによる気腹によって腹腔内は高度のアシドーシス状態となり、それに伴って門脈血のpHも低下することを明らかとした。さらにこれらの影響で肝臓の代謝を反映していると考えられるケトン体比などの肝機能も影響を受けていた。組織学的には中心静脈周囲を中心に脂肪変性などの病理的変化が起こっていた。これらの結果は炭酸ガスによる気腹が肝機能に悪影響を与えているという結果である。しかし、進行癌手術に際してこれらの因子は転移を抑制する方向に働く可能性も考えられた。本成果はSurgical Endoscopyに投稿採用された。 上記の結果を踏まえて、現在、ラット気腹モデルを作成し、低酸素応答・アシドーシス応答に重要な役割を果たす因子の発現解析を行っている。ラット癒着モデルを作成し、炭酸ガス気腹でのサイトカイン・tPA・PAIの腹腔内及び血液中の時系列データを解析した。特にはインターフェロンγの癒着における役割と炭酸ガス気腹のインターフェロンγ依存性癒着に関する知見を得つつある。
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Research Products
(3 results)