2009 Fiscal Year Annual Research Report
SOXファミリーによるWntシグナルを介した大腸癌進展の制御と臨床応用
Project/Area Number |
20591599
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
橋田 裕毅 Tazuke Kofukai Medical Research Institute, 医学研究所 第1研究部, 研究員 (70281607)
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Keywords | SOX4 / 大腸癌 / 大腸発生 / Wntシグナル / ワクチン療法 / SOXファミリー / microRNA |
Research Abstract |
予備実験からmicroarrayにより、大腸の発生発癌に関わる遺伝子として同定した転写因子のSOX4とその属するSOXファミリーの発現ベクターを作成した。Wntシグナルに関わる検討行ったところ、SOX4がbeta-cateninを有意に制御することが判明した。またその他のいくつかのメンバーにおいても同様の結果であった。SOXファミリーは、Wntシグナルを制御し、大腸の発生と癌化に関与している可能性が示唆された。大腸癌細胞にSOX4を発現誘導させることにより、beta-cateninの核への移行を変化させ、大腸癌の進展を制御する可能性が示唆された。 また、ヒト大腸癌組織において免疫染色を実施し、SOX4の分布を確認したところ、核に分布し、また一方では細胞質にも発現を認めた。統計処理を行い検討したところ、SOX4の発現が強陽性の場合は、病期が進行しており、予後が不良であることが判明した。 さらに大腸癌におけるSOX4にかかわるmicroRNAを同定するため、ヒト大腸癌のmicroarrayを行い、5種類の候補microRNAを導いた。SOX4(Wild typeとDominant negative)、Wntシグナル(Wnt3a、Frizzled、beta-catenin、TOPflash、FOPflash)の発現ベクターを作成し、HEK293細胞やSW480細胞をはじめ大腸癌細胞株にtransfectionを行い、また、候補microRNAを導入したluciferase assayを行ったところ、一部のmiroRNAはSOX4を制御しWntシグナルに関わるbeta-cateninを制御することが判明した。また、それらのmicroRNA signatureを検討したところ、signatureの強弱により、大腸癌の進展が起こっていると考えられた。SOX4ペプチドのマウスへの接種し、ワクチンとしての効果を検討するために、CD4、CD8の抗体を用いT細胞でのCD4、CD8の発現やSOX4特異的T細胞活性をFACS、ELISAにて確認を行っている。
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