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2010 Fiscal Year Annual Research Report

急性胆管閉塞にともなう肝障害におけるPPARγの役割について

Research Project

Project/Area Number 20591608
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

江畑 智希  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362258)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 國料 俊男  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任助教 (60378023)
横山 幸浩  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座講師 (80378091)
梛野 正人  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20237564)
菅原 元  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00402587)
KeywordsPPARγ / 15D-PGJ_2
Research Abstract

本研究の目的は、胆管閉塞に伴う肝障害におけるPPARγの役割を解明し、治療への可能性を検討するものである。今年度は、LPSを胆管内に注入し,結紮し胆管炎モデルを作成した。急性閉塞性胆管炎(AOC)は臨床現場でしばしば遭遇するが、診断治療が遅れれば死に至ることもある重篤な疾患である。AOCの主要な死亡原因は急性肝不全であり、この肝不全は肝臓の過剰な免疫反応が誘因の一つであると報告されている。しかし、明確なメカニズムは不明である。本実験では大腸菌由来LPSによるラットAOCモデルを用いてメカニズムを解明し、AOCにおける核内転写因子の一つであるPPARγの最も強力なリガンドとして知られる15D-PGJ_2(以下PGJ_2)の役割を検討する。
方法としては、LPSを胆管内に注入し、結紮することで胆管炎モデルを作成し(BDL+LPS group)、対象群として単開腹群とLPSの代わりに生食を注入した群を用いた。採血データ、門脈圧、炎症反応関連遺伝子の発現を検討した。さらにBDL+LPS groupに対して、PGJ_2投与群,非投与群を作成し、生存率、炎症関連遺伝子の発現を検討した。
その結果、BDL+LPS groupは他の二群に対し、有意に肝機能障害を認め、また血管内皮障害の指標になる血中ヒアルロン酸濃度も有意に上昇していた。さらに肝微少循環障害の指標である門脈圧は優位に上昇し、炎症関連遺伝子の発現も有意に上昇を認めた。BDL+LPS groupに対し、PGJ_2を投与することで、死亡率が低下し、炎症関連遺伝子の発現も有意に抑制された。AOCでは血管内皮障害から肝微少循環障害を来したり、炎症反応を誘発することにより肝不全となる。AOCにPGJ_2を投与することはこれらの過剰な反応を抑制し、治療に有用であることが示唆された。

URL: 

Published: 2012-07-19  

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