2010 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌切除後再発高危険群に対する高用量肝局所化学療法の再発防止効果の研究
Project/Area Number |
20591611
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
具 英成 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40195615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70379402)
楠 信也 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (10379406)
木戸 正浩 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (00403246)
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Keywords | 肝細胞癌 / 肝内再発 / 肝切除 / 経皮的肝灌流 |
Research Abstract |
肝細胞癌は外科的切除が最も有効な治療法ではあるが、切除後再発が60-70%と高率で術後の補助化学療法が必要であると考えられるが、現在まで確立した方法はない。本研究計画では我々が新規に開発した高用量肝局所化学療法の経皮的肝灌流化学療法(percutaneous isolated hepatic perfusion : PIHP)を肝細胞癌切除後の再発高危険群の患者に併用し、prospective randomized trialによりその有効性を検討し、新しい治療戦略を構築することを目的としている。ALT/AST:300IU/L未満、総ビリルビン:2.0mg/dl未満、ICGR15値:30%未満、血小板5万以上をPIHP適応症例として設定した。また、切除病理標本所見から被膜浸潤あり、肝内転移あり、脈管浸潤あり、切除断端陽性、腫瘍最大径5cm以上の5因子のうち、1因子以上を満たし、肉眼的には腫瘍の遺残がない症例を再発高危険群として定義した。これまでの検討で、PIHP施行150例に対してPIHPを施行し、1年生存率、3年生存率、5年生存率がそれぞれ69%、27%、15%であり、奏効率は61%であった。そこで、本研究の対象者には、切除後PIHPを追加治療とする群(PIHP群)と追加治療を行わない群(コントロール群)に各々割り付けをおこなった。PIHP群は肝細胞癌切除後、2ヶ月以内にPIHPを施行した。両群の患者とも退院後は3ヶ月ごとに採血とCT画像で再発の有無を確認した。overall survivalやdisease-free survivalを検討したところ、統計学的有意差をもって、両群間に差を認めた。また、この結果はこれまでの報告を凌駕したものであり、PIHPを基軸とした肝細胞癌治療は新規治療戦略となりうることが明らかになった。
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Research Products
(43 results)