2008 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法と免疫細胞治療の併用による膵癌術後補助療法の安全性および有効性の評価
Project/Area Number |
20591623
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青木 琢 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 講師 (30302722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷州 潔 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (20292906)
国土 典宏 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (00205361)
垣見 和弘 東京大学, 医学部・附属病院, 特任准教授 (80273358)
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Keywords | 膵癌 / 補助化学療法 / 免疫療法 |
Research Abstract |
<対象症例>平成20年度に東京大学医学部附属病院肝胆膵外科において施行された膵癌治癒切除は10例であった。うち、6人の患者から本研究(ゲムシタビンを用いた補助化学療法+自己ガンマデルタT細胞を用いた免疫療法)参加の同意を得ることぶでき、本研究へのエントリー(リンパ球の事前培養検査)を行った。事前培養の段階で、1名が不適格であることが判明、また2名の患者では、事前培養でリンパ球の増殖が認められなかった。そのため、残る3名を対象に術後補助化学・免疫療法を開始した。 第1例目の患者が補助療法を開始したのが2008年11月であり、本プロトロールが化学療法1年間、免疫療法6か月のスケジュールのため、現在のところプロトコール完遂者はいない。 <安全性について>3例のうち、2例で補助療法開始後に肝機能障害が出現し、一時治療を中断した。うち1例は休薬により肝機能が回復したため治療を再開、その後は肝機能異常を認めていないが、1例では休薬後に再投与を行ったところ、再び肝機能障害が出現し、再度休薬中である。残る1名については治療開始後から一貫して有害事象を認めていない。 肝機能異常については他疾患に対する免疫療法では報告がなく、原因は検索中である。肝機能障害が一時的であった症例に関しては、ゲムシタビンが肝機能障害の原因であった可能性が高く、減量で対処可能であると考えている。一方、肝機能障害を繰り返している症例については、ゲムシタビンを中止して免疫療法のみを行っても肝機能障害が見られていることから、免疫療法が何らかの炎症反応を惹起している可能性力が否定できない。 <治療効果について>フォローアップ期間は短いが、1名ですでに再発が疑われている。他の2名では現在のところ再発は認めていない。
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