2008 Fiscal Year Annual Research Report
NOによる蛋白の翻訳後修飾を介した機能制御機構のプロテオーム解析と癌治療への応用
Project/Area Number |
20591633
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉田 裕樹 Kumamoto University, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (30398218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高森 啓史 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (90363514)
広田 昌彦 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (80284769)
蒲原 英伸 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (90398222)
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Keywords | insulin / IGFシグナル / 癌 / 一酸化窒素 / ユビキチン化 / IGF-I |
Research Abstract |
これまでのデータにてNOはinsulin/IGF-I signalのPI3-K-Akt pathwayを抑制し、Ras-Erk pathwayを亢進させることがわかったが、そのメカニズムの一つとして、IRS-1のタンパク分解およびそのチロシンリン酸化の抑制があることが明らかとなった。IRS-1蛋白におけるユビキチン化に重要な部位を同定するために、膵癌細胞MIAPaCa-2に発現ベクターであるpCMV Tag4a/IRS-1 full lengthとdeletion mutantであるpCMV Tag4a/IRS-1 DM2, pCMV Tag4a/IRS-1 DM3, pCMV Tag4a/IRS-1 DM4を遺伝子導入し強発現させた後NO donor (500μM GSNO)を添加し、24時間後のそれぞれの蛋白の発現およびそのユビキチン化をimmunoblot法にて検討するとfull length、 DM2、 DM4において蛋白の減少およびユビキチン化が認められたが、DM3においてはそれらが共に認められなかった。以上よりIRS-1にはそのC末端側のPI3-K binding domainに少なくとも2つ以上のユビキチン化をする部位が存在することが分かった。NOによる膵癌増殖抑制のメカニズムとしてこれらの知見はきわめて重要であるといえる。
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