2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌の治療抵抗性に関する樹状細胞を中心とした細胞性免疫学的検討
Project/Area Number |
20591636
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
見城 明 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40305355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 拓朗 福島県立医科大学, 医学部, 医監兼教授 (20305361)
佐藤 佳宏 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60347218)
木村 隆 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381369)
後藤 満一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50162160)
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Keywords | 膵癌 / 樹状細胞 / OK-432 / 術前 / 腫瘍内局注 |
Research Abstract |
本研究では、(1)膵癌に対する術前樹状細胞(以下、DC)腫瘍内局注療法における、投与DCの活性化と腫瘍局所および全身での免疫反応解析、(2)腫瘍内に局注したDCの体内における動態の解析を行うことが目的であった。(1)DCの活性化に関する検討はFACSによる細胞表面マーカーの発現の比較により行い、PBMCが未熟DCを誘導できたことを確認した。また、腫瘍内DC局注後に手術で摘出した標本を用いて、DC非局注群との比較検討を行い、DC局注群において局注部の腫瘍壊死、および所属リンパ節内でCD83+細胞、FOXP3+細胞が、遠隔リンパ節ではFOXP3+細胞の集積が有意に増加していることを確認した。腫瘍内浸潤リンパ球に関する解析ではCD4+,CD8+,CD83+,FOXP3+のいずれにおいても、DC局注群での増加を認めなかった。しかし、DC局注群9例中2例において、術後5年無再発生存を認め、この2例では腫瘍壊死部内へ多くのCD8+,CD4+細胞が集積していた。(2)In標識したDCを用いて体内動態の解析を行った。全例で局注局所への集積をみとめ、5例中4例で肝臓に、1例では48時間後に上腸間膜動脈周囲リンパ節への集積を認めた。局所への集積が著しく、腫瘍近傍のリンパ節への集積の有無に関する判断は困難であった。局注下DCの動態をreal timeに評価することは困難であったが、組織学的に、所属リンパ節に成熟DCの集積を認めたことから、抗腫瘍免疫応答が惹起されている可能性が示唆された。また臨床研究として実施し、DC局注に伴う重篤な有害事象の発生もなく、術後合併症の増加も認めないことから、安全な手技であることが認識した。膵癌においてDC局注後の摘出標本を用いた解析の報告はなく、きわめて貴重なデータとなると考える。
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Research Products
(3 results)