2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591639
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
工藤 光洋 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (20256978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石渡 俊行 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90203041)
内藤 善哉 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20237184)
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Keywords | 膵β細胞 / 再生医療 / 幹細胞 |
Research Abstract |
膵島移植は1型糖尿病患者において血糖値の安定化に寄与しているが完全なインスリン投与の離脱は難しい場合がある。また膵島移植にはドナー不足の問題もあり、β細胞への分化能力を有する幹細胞や前駆細胞の分離とβ細胞への分化誘導法を用いた再生医学的治療の研究がなされている。しかし、グルコース応答、インスリン産生・分泌能の効率やその再現性の面で不明な点がまだ多い。近年、β細胞のcell-cell adhesionがβ細胞機能に影響することが報告されいる。我々はMIN-6β細胞株を用いて細胞接着とβ細胞機能の変化について検討した。【方法】細胞低接着性の培養プレート上で3日間培養してβ細胞クラスターを形成させ、real-time PCR法および蛍光抗体法を用いて、細胞接着分子、インスリンやその産生・分泌に関与する分子の発現や局在に関して、平面培養(通常培養)でのMIN-6β細胞と比較検討した。【結果】クラスター形成細胞で平面培養細胞に比して、insulin-2,Foxa2,PDX-1などの発現が高い傾向があった。また共焦点レーザー顕微鏡の観察から、E-Cadherinがクラスター形成細胞の細胞間接着部位に強陽性に観察された。 【結語】insulin-2,Foxa2,PDX-1などの発現が変化することから、クラスター形成がインスリン産生・分泌の制御に重要であることが考えられる。今後、クラスター形成細胞でのGLUT2の発現局在、インスリン分泌能、グルコース応答を解析することで、幹細胞や前駆細胞からのβ細胞の分化誘導法を初め、1型のみならず、2型糖尿病患者でのβ細胞機能維持にとっても重要な情報が得られると考える。
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