2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵臓癌におけるシーエックスシーケモカインの検討(予後・背景因子・分化度)
Project/Area Number |
20591640
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
佐竹 真 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70399153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
黒田 暢一 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20301658)
平野 公道 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)
宇山 直樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70402873)
鈴村 和大 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50434949)
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Keywords | 膵臓癌 / ケモカイン / 血管新生 / レセプターシグナル / 増殖転移 |
Research Abstract |
膵癌は手術適応症例は少なく、手術を施行しても再発や転移が高頻度である。術後の再発、転移を予防するためには新たな補助療法の手段の開発が重要と考えられる。CXC chemokineはN末端にELR-motifを有するELR-positive CXC ligand(ELR+CXCL)とELRを有さないELR-CXCLの2つに大別され、ELR+CXCLはレセブター2(CXCR2)と特異的に結合することにより血管新生を起こす。ELR+CXCLとCXCR2は癌の血管新生、転移に重要である事が証明されている。我々は膵癌においても、ELR+CXCLが腫瘍の血管新生、転移に重要であると考え、膵癌症例におけるELR+CXCLとCXCR2の発現、また血管新生を抑制するCXCR3を比較検討した。膵癌細胞株BxPC-3,Mia-PaCa2,Panc-1上清液でELR+CXCLの発現を検討。膵癌患者血清でELR+CXCLを測定、正常者と比較。膵癌組織の免疫染色にてELR+CXCL、CXCR2、CXCR3の発現を観察、正常膵組織と比較。患者血清:正常検体(n-5)と比較すると、膵臓癌患者(n-29)ではELR+CXCLは有意に上昇していた、更に慢性膵炎の患者血清でも有意な上昇を認めた。免疫染色:ELR+CXCLの発現は正常膵組織では認められず、癌部にのみ強陽性を示していた。またCXCR2は膵癌組織で強発現しておりCXCR3の発現は抑制されていた。膵癌症例でも血清中のELR+CXCLの上昇が認められ、膵癌組織中ではELR+CXCLとCXCR2の発現が観察された。臓癌の血管再生やリンパ管増生を介した増殖や転移にはELR+CXCL、CXCR2が重要であると考えた。さらに膵癌でのELR+CXCLの発現はCOX sと深く関与しておりプロスタグランディンの刺激によりCXCL産生が上昇することも確認された。向後COXの発現とCXCLなどのケモカインのLinkについても検討していく必要があると考える
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Research Products
(4 results)