2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591641
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田林 晄一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90142942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋木 佳克 東北大学, 病院, 講師 (50372298)
川本 俊輔 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20400244)
本吉 直孝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40375093)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (60371142)
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Keywords | 脊髄保護 |
Research Abstract |
心臓血管外科手術の成績が向上する中で胸腹部大動脈瘤手術は最大侵襲の手術であると言える。しかしこの手術が抱える問題として、合併症に対麻痺(下半身麻痺)があることが挙げられる(合併率5-20%)。その対策としての低体温は簡便でかつ効果が高いが、全身冷却は肺機能障害・血液凝固能障害などの合併症も多い。そこで当科では局所脊髄冷却法を確立した(硬膜外腔冷水注入法)。ただし同法は冷水を脊髄周囲に注入するために、逆に脊髄に圧迫障害を与える可能性がある。このため注入量には安全限界が生じる。これを回避するために体外からの冷却を付加し、さらに冷却効率を高めようというのが本研究の目的である。 期間中、実施計画に基づいて以下の研究等を行った。 1、現状の方法での臨床成績評価-論文による報告 2、体外冷却効果の推論モデルによる画像シミュレーション構築 3、実際の被験者を用いた冷却効果と同シミュレーションモデルとの相違と、同モデルのUPGRADE 4、臨床応用への許諾を含めた倫理的評価-倫理委員会へ評価依頼 一部の実験は進行中である。 今後は披験者の同意を得た上で、高精度計測法により脊髄周囲温度、体表温度の実際の温度を測定し、シミュレーション間での差異を明らかにし、その差異の原因の評価とシミュレーション式の更なる改善を計る見込みである。加えて脊髄冷却による脊髄機能保護についても運動機能評価を行う予定である。
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