2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性材料と非吸収性材料を組み合わせた動脈用の組織再生誘導型人工血管の開発
Project/Area Number |
20591643
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡辺 弘 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (10240516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 敏幸 新潟大学, 産業技術総合研究所・バイオニックス研究センター, 研究員 (50356797)
名村 理 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60313516)
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Keywords | 心臓血管外科 / 組織工学 / 再生医療 / エレクトロスピニング法 / 人工血管 / ラット移植実験 |
Research Abstract |
非吸収性線維のメッシュ状のニットに生体吸収性ポリマーをエレクトロンスピニング法の条件設定をいろいろに変更してパッチを製作した。力学的な強度の測定を行い、ラットの大動脈に匹敵する強度を有することを確認して植え込み実験用のパッチにすることに決定した。 (担当:渡辺 弘、金森敏幸) ラット右室流出路への植込み実験で組織再生について組織学的に検討した。小型動物用レスピレーターを用いて、全身麻酔・人工呼吸下に胸骨正中切開を行って心臓を露出した。右室流出路にクランプをかけて、パッチ状にした人工血管を縫着した。非吸収性の人工血管として広く用いられているePTFEをコントロールとして移植した。 移植後、1〜3カ月生存させた後に移植グラフトを摘出して、肉眼的な観察を行った。内腔面は平滑で、血栓形成は全く認められなかった。組織学的には、内腔面は血管平滑筋細胞で覆われていた。炎症細胞がパッチ内に侵入して、吸収性ポリマーの分解が進行した。時間経過とともにポリマー部分が肉芽組織に置換されて、やがて平滑筋細胞や弾性線維の存在が確認された。非吸収性のニットを血管内腔側に置いた場合と血管外膜側に置いた場合の二種類の植込み法で、血栓形成および組織再生について差がないかの検討も行った。ニットが内腔側にあるように植え込んだ場合でも血栓形成は認められず、また、再生の進行においても両者で差は認められなかった。(担当 : 渡辺 弘、名村 理)
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