2009 Fiscal Year Annual Research Report
末期重症心不全に対する左室補助装置下の自己心再生への挑戦
Project/Area Number |
20591645
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
藤田 知之 National Cardiovascular Center Research Institute, 心臓血管外科, 医師 (10457012)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 芳樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00243220)
倉谷 徹 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90448035)
松宮 護郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20314312)
上野 高義 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60437316)
坂口 太一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10467574)
|
Keywords | LVAS / remodeling / 線維化 / ベッカー型筋ジストロフィー / 僧帽弁逆流 / 心機能 |
Research Abstract |
当研究機関においてあらたに左室補助装置(LVAS)を植え込まれた15例の臨床的、組織学的検討を、過去の植え込み術を施行した症例に加え、行った。病悩期間が短いことや年齢(若年者)のみならず、左室心筋より採取された筋肉のマッソントリクロム染色によって測定される線維化率が、LVAS植え込みによるmechanical unloadingの成果を左右するであろうことがわかってきた。それに加え,非虚血性の心筋症においても拡張相肥大型心筋症やベッカー型筋ジストロフィーにともなりものは回復しにくいことも判明した。しかしながら、LVAS植え込み後約6カ月で心筋の回復を得て、その離脱を図る1症例の心筋線維化率は高度であるため、慎重な検討と解析を要している。 また、離脱が不可能な症例においても定期的な心機能検査を施行しており、心拡大と僧帽弁逆流の関連は認められた。心拡大が改善する群は術後早期にその効果が表れることが判明した。Mechanical unloadingにより全例において左室心筋への負荷は軽減されたにもかかわらず、改善する群と改善しない群に分けられた。遺伝的要因とremodelingと表現される心筋のダメージ、線維化が関与している可能性が示唆されたが証明するには至っていい。僧帽弁逆流症例においてももともと左室が大きい症例でremodelingが進行していると再発しやすいことが判明した。そのため、今後もremodelingと心機能の推移との関連をみる必要がある。
|
Research Products
(2 results)