2008 Fiscal Year Annual Research Report
肺切除術後肺炎発症機序への咳、嚥下反射異常と口腔内、咽頭常在菌誤嚥の関与の解明
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20591661
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 康 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (90333814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 安史 東北大学, 病院, 特任助教 (00455833)
野田 雅史 東北大学, 病院, 助教 (70400356)
佐渡 哲 東北大学, 病院, 助教 (20396485)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10303132)
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Keywords | 肺切除術後肺炎 / 上気道防御反射(咳・嚥下反射) / 口腔内常在菌 / 不顕性誤嚥 / 口腔ケア / 高齢者 / 嫌気培養 / 16S rRNA PCR-Sequencc法 |
Research Abstract |
60歳以上の高齢肺切除症例22例から、インフォームドコンセントを得て肺切除術中に気管支液を採取し、さらに、このうち気管支形成術を受けた2例(このうち1例は後に肺炎発症)からは術後第1病日の気管支鏡検査時にも気管支液を採取し、嫌気培養に供しColony forming unit(CFU)を計測した。一部め症例で生育コロニーを分離・DNA抽出を行い、16S rRNA PCR-Sequence法にて細菌種を同定した。術後第1病日朝に不顕性誤嚥のリスク=上気道防御反射(咳・嚥下反射)を評価した。術中気管支液中の細菌量(logCFU/mL)は、上気道防御反射正常群(n=11, 平均2.41±1.64)に比し、上気道防御反射異常群(n=11, 平均3.18±2.13)で多い傾向を認めた。気管支形成を受けた2例中1例の上気道防御皮射は正常、1例は異常であったが、術後第1病日の気管支液中の細菌量は順に5.08と4.38であった。術後肺炎は上気道防御反射異常群11例中2例のみから発症し、上気道防御反射正常群からは発症しなかった。肺炎発症例の術中気管支液からはStreptococcusやActinomycesといったグラム陽性通性菌が、術後気管支液からはPrevotella, Atopobium, Fusobacterium, Veillonellaといった口腔内嫌気性菌が検出され、術後肺炎への口腔内常在菌の関与が示唆された。 周術期口腔ケアマニュアルを作成し、60歳以上の高齢肺切除例10例に供した。術前予防歯科において口腔内評価・専門的口腔ケア清掃・自己口腔ケア指導を、その後周術期を通して看護師による口腔ケア介入を行った結果、新たな有害事象は招来されず、かっこの10例では術後肺炎の発症を認めなかった。
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