2009 Fiscal Year Annual Research Report
肺切除術後肺炎発症機序への咳、嚥下反射異常と口腔内、咽頭常在菌減の関与の解明
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20591661
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 康 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (90333814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 雅史 東北大学, 病院, 助教 (70400356)
佐渡 哲 東北大学, 病院, 助教 (20396485)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10303132)
丹田 奈緒子 東北大学, 病院, 助教 (00422121)
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Keywords | 肺切除術後肺炎 / 上気道防御反射(咳・嚥下反射) / 口腔内常在菌 / 不顕性誤嚥 / 口腔ケア / 高齢者 / 嫌気塔養 / 16S rRNA PCR-Sequence法 |
Research Abstract |
H20年度に作成した周術期口腔ケアプログラム(術前予防歯科において口腔内評価・専門的口腔ケア清掃・自己口腔ケア指導を、その後周術期を通して看護師による徹底した口腔ケア介入を行うもの)を、H20年度の反省に基づいて改訂し(予防歯科医による術後往診、学内ネットワークの回覧板を利用した被験者情報の共有などを加え、一般病棟帰棟後の自己口腔ケア完遂率向上を目指した)、60歳以上の肺切除例20例に供した。自己口腔ケア完遂率はH20年度の80%からH21年度には90%にアップした。H20年度の介入例10例同様、H21年度の介入例20例においても術後肺炎は認められなかった。 術後第1病日の喀痰および咽頭細菌・真菌叢を過去の対象症例(口腔ケア非介入群)23例と比較検討した。口腔ケア介群と非介入群間で喀痰および咽頭細菌・真菌検出率、検出菌種に統計学的有意差を認めなかった(10の5乗 CFU/mL以上の喀痰最近が検出される被験者数は非介入群に比し介入群で少ない傾向を認めた)。 口腔ケア介入群16例から肺切除術中に気管支液を吸入法およびマイクロサンプリングプローブ法で採取し、嫌気培養に供しColony forming unit(CFU)を計上した。吸引法の嫌気性菌+通性菌数は4.05±1.28logCFU/mLであった。今後口腔ケアは非介入例からの検体採取を進め、嫌気性+通性菌数、(16S rRNA PCR-Sequence法を用いて)筋種の詳細を比較検討を行う予定である。
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