2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺切除術後肺炎発症機序への咳、嚥下反射異常と口腔内、咽頭常在菌誤嚥の関与の解明
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20591661
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
星川 康 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90333814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 雅史 東北大学, 病院, 助教 (70400356)
佐渡 哲 東北大学, 病院, 助教 (20396485)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科, 講師 (10303132)
丹田 奈緒子 東北大学, 病院, 助教 (00422121)
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Keywords | 肺切除術後肺炎 / 上気道防御反射(咳・嚥下反射) / 口腔内常在菌 / 下顕性誤嚥 / 口腔ケア / 高齢者 / 嫌気培養 / 16S rRNA PCR-Seuence法 |
Research Abstract |
平成20~21年度「周術期口腔ケアプログラム」に従って口腔ケア介入した30例(介入群)と、過去の対照症例(口腔ケア非介入)23例に加え今年度新たに登録した口腔ケア非介入症例5例の合わせて28例(非介入群)を比較検討した結果、術後肺炎は非介入群(4例、14%)でのみ発症し介入群ではみられなかった(p<0.05)。喀痰一般菌検査では、10の5乗CFU/mL以上の一般細菌が検出される被験者数は非介入群に比し介入群で少ない傾向を認めた。以上の結果の詳細を、日本呼吸器学会と日本呼吸器外科学会総会で発表した。 口腔ケア介入例9例(術前上気道防御反射正常5例、反射異常4例)、口腔ケア非介入5例(反射正常2例、反射異常3例)から肺切除術中に気管支液をマイクロサンプリングプローブ法で採取、嫌気培養に供し嫌気性菌+通性菌数測定と菌種同定(16S rRNAPCR-Sequence法)を行った。その結果、口腔ケア介入群では、反射正常例でも異常例でも、嫌気性菌+通性菌数および構成菌種の多様性も類似していた。口腔ケア非介入群では、細菌数も構成菌種の多様性も反射正常例に比し異常例で大きい傾向を認めた。この結果を国際歯科研究学会で発表した。 以上の結果に基づき、病棟患者用術前指導パンフレットに術前・術後の口腔ケアの重要性と口腔ケア法につき加筆し、集中治療室の肺切除術後パスに口腔ケア介入指示、観察、介入に関する記載事項を加え、周術期にもれなく効果的な口腔ケア介入がなされるシステムを整えた。
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Research Products
(4 results)