2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・エピゲノム異常領域を指標とし肺癌治療を目指した新規標的遺伝子の同定と解析
Project/Area Number |
20591664
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横井 左奈 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 助教 (30372452)
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Keywords | 肺癌 / 遺伝子増幅 / ゲノム / エピゲノム / ホモ欠失 / メチル化 / 免疫沈降 / X染色体 |
Research Abstract |
肺癌においては、増幅・欠失などのゲノム異常とDNAメチル化・ヒストン修飾の異常により発現変化を起こすエピゲノム異常の両者が蓄積して悪性形質を獲得している。そこで、主に日本人由来の肺癌細胞株49株に対してin-houseゲノムアレイによりこれまでに絞り込んだ異常領域に対し、肺癌診断ツール・治療標的としての有用性を検討し、肺癌診断用のアレイの開発に向けた遺伝子のカタログ化を進めることを目的とした。 今年度に実施した研究成果として、ゲノム解析では、 1. 肺小細胞癌に見出した第1番染色体短腕の新規遺伝子増幅領域に着目し、標的遺伝子としてTRIM33を同定した。肺小細胞癌細胞株にTRIM33を強制発現させると細胞増殖能は亢進し、反対にsiRNAによりノックダウンすると細胞増殖能は低下したため、TRIM33は治療標的として有用であると思われた。 2. これまでのゲノム解析から、X染色体上にコピー数増加を認めた細胞株は49株中23株あった。これらにつき、X染色体を隙間なくカバーしたMCG X-tiling Arrayを用いてより詳細なゲノムコピー数異常解析を施行した。その結果、肺癌関連遺伝子探索のランドマークとなる遺伝子増幅・ホモ欠失を各4領域に検出した。 一方、エピゲノム解析では、これまで確立してきた解析方法であるChIP on BAC-array法等が、癌の異常メチル化や神経疾患に関連したエピゲノム異常の探索において成果を上げている。 以上により、今年度の研究目的は達成されたと考える。
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Research Products
(6 results)