2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・エピゲノム異常領域を指標とし肺癌治療を目指した新規標的遺伝子の同定と解析
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20591664
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
横井 左奈 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター, 部長 (30372452)
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Keywords | 癌 / ゲノム / マイクロアレイ / 肺癌 |
Research Abstract |
肺癌においては、増幅・欠失などのゲノム異常とDNAメチル化・ヒストン修飾などのエピゲノム異常の両者が蓄積して悪性形質を獲得している。そこで、主に日本人由来の肺癌検体を用いてゲノムアレイによる解析を行い、検出した異常領域に対し、肺癌診断ツール・治療標的としての有用性を検討し、肺癌診断用のアレイの開発に向けた遺伝子のカタログ化を進めることを目的とした。 今年度に実施した研究成果として、ゲノム解析では、 1.日本人由来の肺癌細胞株49株のゲノム解析により、肺小細胞癌に見出した第1番染色体短腕の新規遺伝子増幅領域の標的遺伝子TRIM33につき解析を進めた。TRIM33は、肺小細胞癌のみならず、肺非小細胞癌においても約半数の症例で非腫瘍部と比較して腫瘍部において発現が亢進していた。肺腺癌細胞株においてsiRNAによりTRIM33をノックダウンすると細胞の増殖は抑制されたため、TRIM33は肺非小細胞癌においても治療標的として有用であると思われた。またTRIM33は、乳癌など癌腫を超えて癌関連遺伝子として働いていると考えられた。 2.細胞株のみならず肺腺癌臨床検体についてもゲノムコピー数解析をオリゴアレイを用いて行った。新規の遺伝子増幅領域が検出され、増幅に伴う発現亢進を示す新規肺癌関連遺伝子候補が同定された。 一方、エピゲノム解析では、これまで確立してきたBAC-arrayを用いたエピゲノム解析法が、癌の異常メチル化の探索において成果を上げている。 以上により、今年度の研究目的は達成されたと考える。
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Research Products
(6 results)