2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・エピゲノム異常領域を指標とし肺癌治療を目指した新規標的遺伝子の同定と解析
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20591664
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横井 左奈 千葉県がんセンター研究所, がんゲノムセンター, 部長 (30372452)
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Keywords | 肺がん / ゲノム / DNAコピー数 |
Research Abstract |
1.肺小細胞癌における1番染色体の新規増幅領域の標的として同定したTRIM33に関し、トランスジェニックベクターを作成し、TRIM33のトランスジェニックマウスの作成を進めている。 2.非小細胞肺癌手術検体を用いたアレイCGH解析から3q26にlog2ratio 3.9の増幅を検出し、発生時や幹細胞において働くSOX2が、増幅に伴う発現亢進をしていることを確認した。肺腺癌120症例につき既知の分子マーカー(EGFR変異、KRAS変異、p53変異)の評価を行い、他の臨床病理学的因子を含めてSOX2発現レベルとの関連を調べたが、有意差は認められなかった。次に、縦隔リンパ節転移を認める肺癌手術症例から肺原発巣およびリンパ節転移巣を採取し、アレイCGHによりゲノムコピー数変化を比較した。その結果、リンパ節転移巣におけるゲノム変化は、原発巣の変化を非常に良く反映していることが確認できた。そこで、超音波気管支鏡下に未治療の肺小細胞癌リンパ節転移検体を採取し、アレイCGHによりゲノムコピー数解析を行った。その結果、1p,1q,3q,5p,6p,6q,8q,12q,17q,18q,19pに高頻度のコピー数増加を認めた。また、3p,4q,5q,10q,13q,15q,16p,16q,17p,22qに高頻度のコピー数減少を認めた。これらの結果は、以前行った肺小細胞癌細胞株での解析結果と良く一致していた。また、新規の増幅およびホモ欠失領域も検出され、標的となる遺伝子の同定を進めている。 3.当院における2007年から2009年までの非小細胞癌手術症例および気管支鏡生検症例404例につきALK免疫染色を行った結果、15例が陽性であった。そのうち10症例につきアレイCGHによりゲノムコピー数解析を行った。その結果、コピー数変化を認めた染色体領域数は0~20であった。ALK阻害薬の効果に関わる遺伝子の同定を進めている。
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Research Products
(4 results)