2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺腺癌浸潤における宿主由来線維芽細胞の役割に関する研究
Project/Area Number |
20591670
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
眞庭 謙昌 神戸大学, 医学研究科, 講師 (50362778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 祥剛 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50189669)
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Keywords | 肺癌 / 浸潤 / 癌宿主相互作用 / 線維芽細 |
Research Abstract |
背景:Necl-5は細胞の接着、運動、増殖の制御に関係するimmunoglobulin (Ig)-like moleculeで、様々なタイプの癌細胞でupregulateしていることが報告されている。しかし肺癌においてその発現を詳しく検討した報告はない。 目的:原発性肺腺癌におけるNecl-5の発現を観察し、その臨床的意義について検討した。 方法:当科で手術された原発性肺腺癌症例63例について、抗Necl-5抗体を用いて切除標本の免疫染色を行い光学顕微鏡にてNecl-5の発現の観察を行った。さらに癌細胞におけるNecl-5の発現と症例の臨床病理的特徴および予後との関係につき解析した。 結果:腫瘍の辺縁部の間質、癌細胞が浸潤した部分の間質が強く染色されているのが観察され、癌が浸潤していく部分の間質でNecl-5がupregulateしていることが示唆された。すべての標本で腫瘍の間質部分では中等度から強度の染色が観察された。癌細胞自体でNecl-5が強く発現しているものが43例、癌細胞が染色されないまたは軽度にしか染色されなかったものが20例であった。癌細胞のNecl-5の発現はN因子(p=0.0398)、TNMstage(p=0.0070)、BAC率(p 0.023)と有意差を持って関連が認められ、多変量解析で予後(p=0.0305)に影響を与える独立した要因であった。癌細胞でNecl-5が強く発現していた患者の無再発生存率は有意差(p=0.0004)を持って不良であった。
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