2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591671
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大藤 剛宏 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40452578)
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Keywords | 肺移植 / 心臓死 / ドナー / 体外循環 / 人工心肺 |
Research Abstract |
長時間体外において人工心肺回路での肺灌流を行うとグラフト肺の障害が起こりうるが,その機序については十分に検討されていない。我々は,人工心肺回路で肺灌流を行った際の灌流液中の炎症性サイトカインの変動と肺機能について検討した。 実験方法は、心停止直後のブタの心肺ブロックを摘出し,人工心肺回路で還流したが、還流後2時間を越えると,肺へのダメージを表す、肺水腫が出現し始めた。さらに還流を続け、最終的なモデルでは12時間灌流した.灌流液にはSteen solutionを使用した。1時間おきに灌流液を採取し,IL-8を測定した。また,送血管と脱血管の血液ガスを測定して酸素化能を評価した。 【結果】全例12時間の灌流が可能であった.IL-8、およびTNF-alphaは還流開始2時間目より著明に上昇した。(IL-8:2時間:2774±1784,6時間5842±1829,12時間5860±1652)9時間までは良好な酸素化能を維持したが、その後は肺水腫により酸素化能は低下した。 【結論】ex-vivo回路での肺の灌流により灌流液中のproinflammatoryサイトカインであるIL-8およびTNF-alphaは上昇し、それにともない還流グラフト機能も損なわれていった。このことから,灌流液中のサイトカインは肺障害を惹起する原因と考えられ、更なる研究、つまりサイトカイン吸着膜を用いてサイトカインを抑制することで、肺水腫の無い安全な体外式肺還流が実現できると考えられた。
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Research Products
(1 results)