2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591671
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大藤 剛宏 岡山大学, 病院, 講師 (40452578)
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Keywords | 肺移植 / ドナー / 体外循環墨 / 心臓死ドナー / 肺機能評価 / グラフト |
Research Abstract |
人工心肺回路を用いて移植前に肺を評価することが心臓死肺移植において有用とされているが、そのシステム自体の安全性は十分に研究されていない。今回我々は人工心肺回路を用いた肺グラフト評価システムが移埴後に肺へ及ぼす影響について大動物実験で検討した。室温で放置することによる温虚血障害を有する肺と有しない肺いずれかを用いて心臓死肺移植することを想定した実験を行い、人工心肺回路を用いた肺評価システムは移植後に致命的な影響を与えることなく施行可能であることを示した。移植後2時間までの早期の移植後グラフト機能は、人工心肺回路を用いた肺グラフト評価システムを使用した群で低下を認めるが、移植後3時間以降で回復した。DCDシナリオにおいてex vivo(+)群でex vivo(-)群と比較して有意な肺胞間の間質肥厚を認めたが、肺乾湿重量比、MPO活性では両群に有意差は認めなかった。 海外で行われているシステムと同様の心臓死肺移植における人工心肺回路を用いた肺グラフト評価はグラフトに致命的な障害を与えることなく施行可能であった。国内においても同様のシステムを用いた心臓死肺移植を行うことで、障害された可能性のある肺、特に心臓死ドナーからのドナープールの拡大が期待できる。
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