2008 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器外科疾患の早期診断を目指した気道上皮被覆液の生化学的およびプロテオーム解析
Project/Area Number |
20591677
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 真純 Keio University, 医学部, 講師 (90201227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 一徳 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (80365270)
河野 光智 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10276272)
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20198724)
石坂 彰敏 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90176181)
小林 紘一 慶應義塾大学, 医学部, 名誉教授 (80051704)
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Keywords | 呼吸器外科 / プロテオーム / 気管支鏡 / マイクロサンプリング |
Research Abstract |
1)気管支鏡下マイクロサンプリング(BMS)法の肺癌に対する応用 A)末梢発生肺腺癌に対してBMS法により気道上皮被覆液(ELF)の採取を行った。 従来のサンプリングでは気管支鏡操作に伴う出血のため、プロテオーム解析の際に混入した血液が問題になることがあった。フィルター(孔径0.45μm)付きの試験管にプローブ先端を入れて遠心分離する方法を考案した。この方法によりELFの電気泳動を行うと、ヘモグロビンおよびアルブミンのバンドが低下していた。血液成分混入の影響を最小限にすることができたものと考える。 B)ゲフィチニブ使用肺癌症例に対して投与前と投与2週後にELFを採取して腫瘍マーカーや各種因子の検討を行った。24例に対して本法を行い、治療効果あり群(n=14)ではELF中のCEA、KL-6、SP-Dなどが投与前より有意に低下した。一方、治療効果なし群(n=10)でこれらは上昇傾向を示した。一般にKL-6、SP-Dなどは肺障害マーカーとして用いられるが、イレッサによる病勢の変化を反映している可能性が示唆された。 2)非結核性抗酸菌症に対する応用 Mycobacterium avium complex症の患者に対してBMS法によるELF採取を行った。 肺病巣から得られたELFでは健常部や対照症例と比較してKL-6、IFNγが有意に上昇していた。 3)LPS投与ラット肺障害モデルにおける検討 気管内にLPSを投与し6および24時間後にラット用BMSプローブでELFを採取した。ELF中の各種サイトカイン(Bio-Rad社製BioPlexシステムを使用)を測定した。現在のところn=4であるが、生食を投与したコントロール群と比較してIL-1β、IL-6、IFNγ、TNFαなどの上昇が認められている。
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Research Products
(3 results)