2010 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器外科疾患の早期診断を目指した気道上皮被覆液の生化学的およびプロテオーム解析
Project/Area Number |
20591677
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 真純 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90201227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 光智 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10276272)
長谷川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (20198724)
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Keywords | 呼吸器外科 / プロテオーム / 気管支鏡 / マイクロサンプリング / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
5名の肺疾患患者(肺腺癌2名、肺扁平上皮癌2名、結核1名)から採取した、気道上皮被覆液(ELF)を用いて、ショットガンプロテオーム解析を実施し、肺癌マーカータンパク質の探索研究を行った。気道上皮被覆液の採取にはオリンパスのマイクロサンプリングプローブを用い、血球成分の混入を抑えるために、サンプリング直後に、メンブレンフィルターを介した遠心を実施した。また、分析には実検体に加え、健常人の全血サンプルも同じ手法で分析し、その中に検出されたタンパク質をマーカー候補タンパク質から除外することにより、肺組織由来のマーカー候補タンパク質の抽出が可能となった。検体は、SDSポリアクリルアミド電気泳動で分離後、ゲルスライスを作成し、各スライスについてゲル内トリプシン消化を実施した。測定は、Thermoのリニアイオントラップ質量分析装置LTQを用いたLC-MS/MSショットガン分析にて行った。得られたデータを、MASCOT MS/MS ion searchで同定後、スペクトルカウントの手法で各検体中のタンパク質存在量を比較した。その結果、4名の肺癌患者のいずれかで2倍以上の変化を示した候補タンパク質として93種を、その内肺腺癌または肺扁平上皮癌の2名に共通に動く各癌マーカー候補タンパク質として35種を抽出することができた。 また本プロテオーム解析の妥当性を確認するために例の肺癌患者のELFを用いてウエスタンブロット解析を行い肺癌における新規腫瘍マーカーとしての可能性を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)