肺癌浸潤B細胞が認識する腫瘍抗原の抗体療法への応用

2008 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20591680
• Research Institution: University of Occupational and Environmental Health, Japan
• Principal Investigator: 水上 真紀子 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (10441859)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川原 浩治 北九州工業高等専門学校, 細胞工学センター, 教授 (20321515) ; 安元 公正 産業医科大学, 医学部, 教授 (30150452) ; 花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 講師 (30299614)
• Keywords: 抗体療法 / 肺癌 / 腫瘍抗原 / 腫瘍浸潤B細胞 / モノクローナル抗体

Research Abstract

本研究は、肺癌細胞に高発現する細胞表面蛋白であるUOEH-LC-1(Cancer Res.2007 67:8351-7.)に対する抗体療法を確立する目的で、以下に示す計画を進めている。UOEH-LC-1蛋白を組み換えタンパク質として大量に生産・精製し、マウスに免疫することによりUOEH-LC-1蛋白に対するモノクローナル抗体を得る。マウスを用いた治療モデルを作製し、in vivoでの抗腫瘍効果の有無を確かめる。さらにヒト化抗体の作製を検討する。平成20年度は、UOEH-LC-1蛋白を産生、精製し、この蛋白に対するモノクローナル抗体を作製する過程を行っている。
まずUOEH-LC-1蛋白を組み換えタンパク質として産生・精製した。次に、2匹のマウスに対してUOEH-LC-1蛋白を繰り返し免疫することにより、1匹は4回、もう1匹は5回免疫後に、マウス血清中に抗体の産生を認めた。これらを犠牲死させ、ミエローマ細胞と融合した。得られたハイブリドーマの限界希釈を施行することで、8株のハイブリドーマクローンを樹立した。最終的に2クローンのIgM抗体を産生する株を得ることができた(15E2,10B2)。これらのIgM抗体はいずれもUOEH-LC-1蛋白を認識することをELISA法にて確認している。さらに現在FACS,免疫染色法により抗体の特異性の評価を行っている。
今回のハイブリドーマはいずれもIgM抗体産生株しか樹立できずIgG抗体産生株が得られなかった。原因として、免疫するUOEH-LC-1蛋白量が足りなかったためクラススイッチが起きなかった可能性が考えられた。現在は、UOEH-LC-1蛋白量を増量(1回あたり10μg)してマウスに免疫し、IgG抗体を産生するハイブリドーマの作製を行っている。

Research Products

• [Journal Article] Association Between Estrogen Receptor-{beta} Expression and Epidermal Growth Factor Receptor Mutation in the Postoperative Prognosis of Adenocarcinoma of the Lung (2009)
  • Author(s): Nose N
  • Journal Title: J Clin Oncol 27(3) Pages: 411-417
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Clinical significance of HLA class I alleles on postoperative prognosis of lung cancer patients in Japan (2009)
  • Author(s): Nagata Y
  • Journal Title: Lung Cancer (in press)
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Significance of Smoking as a Postoperative Prognostic Factor in Patients with Non-small Cell Lung Cancer (2008)
  • Author(s): Hanagiri, T
  • Journal Title: J Thorac Oncol 3(10) Pages: 1127-1132
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 石綿関連肺癌に対する液性免疫応答の解析 (2008)
  • Author(s): 安田学,重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,永田好香,水上真紀子,市来嘉伸,大賀丈史,大神明,森本泰夫,濱田哲夫,竹之山光広,花桐武志,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第49回日本肺癌学会総会
  • Place of Presentation: 北九州
  • Year and Date: 20081114-20081115
• [Presentation] 悪性胸膜中皮腫におけるSEREX法による腫瘍抗原の同定と新規腫瘍マーカーとしての可能性 (2008)
  • Author(s): 重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,永田好香,水上真紀子,市来嘉伸,安田学,竹之山光広,花桐武志,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第61回日本胸部外科学会定期学術集会
  • Place of Presentation: 福岡
  • Year and Date: 20081012-20081015
• [Presentation] 石綿関連肺癌に対する新規バイオマーカーの探求 (2008)
  • Author(s): 安田学,重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,永田好香,水上真紀子,市来嘉伸,野添忠浩,竹之山光広,花桐武志,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第25回日本呼吸器外科学会総会
  • Place of Presentation: 宇都宮
  • Year and Date: 20080529-20080530
• [Presentation] 石綿関連肺癌に対する液性免疫応答の解析 (2008)
  • Author(s): 安田学,重松義紀,花桐武志,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,永田好香,水上真紀子,市来嘉伸,野添忠浩,竹之山光広,大神明,森本泰夫,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第108回日本外科学会定期学術集会
  • Place of Presentation: 長崎
  • Year and Date: 20080515-20080517
• [Presentation] 非小細胞肺癌における癌/精巣抗原発現の解析および臨床因子との相関 (2008)
  • Author(s): 花桐武志,重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,水上真紀子,市来嘉伸,安田学,野添忠浩,竹之山光広,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第108回日本外科学会定期学術集会
  • Place of Presentation: 長崎
  • Year and Date: 20080515-20080517
• [Presentation] 悪性胸膜中皮腫に関連する新規腫瘍抗原の同定と血清診断への応用 (2008)
  • Author(s): 花桐武志,重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,永田好香,水上真紀子,市来嘉伸,安田学,大賀丈史,竹之山光広,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第26回産業医科大学学会総会
  • Place of Presentation: 北九州
  • Year and Date: 2008-10-30
• [Presentation] 石綿関連肺癌に対する腫瘍抗原の探索と診断及び治療への応用(第2報) (2008)
  • Author(s): 安田学,花桐武志,重松義紀,塩田広宣,黒田耕志,馬場哲郎,大賀丈史,竹之山光広,濱田哲夫,大神明,森本泰夫,杉尾賢二,安元公正
  • Organizer: 第26回産業医科大学学会総会
  • Place of Presentation: 北九州
  • Year and Date: 2008-10-30