2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌浸潤B細胞が認識する腫瘍抗原の抗体療法への応用
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20591680
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
遠藤 真紀子 産業医科大学, 医学部, 非常勤助教 (10441859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花桐 武志 産業医科大学, 医学部, 准教授 (30299614)
重松 義紀 産業医科大学, 医学部, 助教 (10546469)
川原 浩治 北九州工業高等専門学校, 細胞工学センター, 教授 (20321515)
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Keywords | 抗体療法 / 肺癌 / 腫瘍抗原 / 腫瘍浸潤B細胞 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
本研究は、肺癌腫瘍内浸潤B細胞に認識され、かつ肺癌細胞に高発現する細胞表面蛋白であるUOEH-LC-1に対する特異的抗体療法を構築する目的に対して3年計画で進めている。本年度は計画最終年度にあたる。研究初年度はIgM抗体しか得ることができず、次年度に1クローンのIgG抗体産生ハイブリドーマ株(サブクラスIgG1)を得ることに成功した(7B6E)。本年度は採取したモノクローナルIgG1抗体がUOEH-LC-1蛋白を認識するかどうかの検討を行った。まず、7B6Eハブリドーマ株を大量培養し培養上清よりIgG抗体の精製を行った(SHP)。精製した抗体(SHP)は濃度依存性にUOEH-LC-1蛋白を認識することをELISA法にて確認した。UOEH-LC-1蛋白を固層化したプレートに抗体を添加して、ELISAを施行したところ精製抗体(SHP)はハイブリドーマ培養上清(7B6E)より強くUOEH-LC-1蛋白を認識した。次に、腫瘍細胞上に発現するUOEH-LC-1蛋白を精製抗体(SHP)が認識するかどうか、フローサイトメトリーを用いて確認した。UOEH-LC-1蛋白高発現肺癌細胞株A110Lに対しての抗体認識を確認したところ、200ng/mlでその認識を認め、その認識は濃度依存性に増強を認めた。以上より作製したIgG抗体(UOEH-LC-1抗体)が肺癌細胞表面上に発現するUOEH-LC-1蛋白を認識することを確認した。このin vitroの結果のもとに、UOEH-LC-1蛋白高発現肺癌細胞株A110L移植SCIDマウスモデルでの、尾静脈より抗体を投与するin vivo実験を施行した。しかし、コントロール群(PBS投与)に比較して、UOEH-LC-1抗体による抗腫瘍効果は認めなかった。現在、抗体の投与量、投与間隔などの条件設定を行っている。
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Research Products
(24 results)