2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591683
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
外村 和也 Hamamatsu University School of Medicine, 分子イメージング先端研究センター, 特任助教 (90436965)
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Keywords | 脳梗塞 / 脳出血 / 口腔内細菌 / う蝕菌 / 歯周病菌 / 全身疾患 |
Research Abstract |
実験には光増感反応を利用したマウス中大脳動脈閉塞モデルを用いた。これはローズベンガルと緑色光を調節することで血管内皮の障害の程度を調節することができるものである。本研究ではローズベンガルと緑色光のコンビネーションにより弱い条件を作ることで、微小な脳梗塞を作製した。 【口腔内菌による脳出血および脳梗塞の悪化の評価】 上記の脳梗塞モデル動物に歯周病菌およびう蝕菌などの口腔内細菌を投与した。そして24時間後に麻酔下で動物を解剖し、厚さ1mmの脳切片を作製した。未染色の脳切片はデジタル画像を得るために撮影し、出血量を定量化した。また2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドで染色し、デジタル画像を撮影した後、脳梗塞面積をコンピュータ解析した。 この実験においてう蝕菌の一つであるTW295が脳出血を引き起こすということが明かとなった(コントロール群の出血量0.37±0.120、TW295 1.73±0.633 mm^2)。口腔内細菌が新内膜炎や動脈硬化などに関与するという報告はこれまでにあるが、致命的な疾患となる脳出血に関わるという報告はこれまでになく、本研究では口腔内細菌が引き起こす脳出血のメカニズムを解明することを第一優先として以降の研究を進めた。 様々なう蝕菌を用い探索したところ、う蝕菌の血清型や表層タンパクの違いにより脳出血への影響が違っており、我々は病原性の高いう蝕菌を同定することができた。また人の口腔から得られた唾液を用い、この病原性の高い菌を検出するための診断キットを開発し、特許出願に至った。
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Research Products
(4 results)