2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591688
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
秦 龍二 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90258153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 丘倫 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70233210)
久門 良明 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80127894)
出崎 順三 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00036451)
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Keywords | 脳虚血 / 自然免疫 / TLR4 / マイクログリア / キメラマウス |
Research Abstract |
病原体が生体に侵入すると、免疫系はすみやかにそれを認識し排除する。こうした侵入病原体に対ずる免疫応答はTLR(Toll like receptor)を中心とする自然免疫受容体が、自己には存在しない病原体特有の分子パターンを認識することで開始される。TLRファミリーの中で、TLR4はマクロファージ(中枢神経系ではマイクログリア)等の貪食能を持つ細泡の細泡膜表面に発現し、グラム陰牲細菌の細抱壁成分であるリポ多糖(LPS)認識し、NR-kBやMAPkinaseの活性化を介して炎症性サイトカインやI型インターフェロン遺伝子を誘導することが知られている。これらの分子機構は微生物感染の初期防卸を担う自然免疫応答に必須のシグナル系ではあるが、異常に亢進した自然免疫シグナルは慢性の炎症性疾患(例えばRAや潰瘍牲大腸炎等)を引き起こす事も知られている。実際TLR4には脳虚血増悪効果があることが最近報告されており、脳虚血障害が自然免疫シグナル(TLR4)の異常亢進こよる炎症性疾患である可能性が考えられる。本研究はTLR4のノックアウトマウスと骨髄キメラマウスを用いることで、脳虚血障書には骨髄由来単球・マクロファージ系の細胞が関与し、その作用機構に自然免疫受容体(TLR4)が重要な働きをしているという仮説を検証することである。そこで1年目の本年はTLR4ノックアウトマウスのhomo typeとwild typeの中大脳動脈閉塞モデルを用いて、脳梗塞量を検討した。その結果、homo typeではwild typeに比べて、中大脳動脈閉塞による虚血障害が攻善し、脳梗塞量が小さくなる事が明らかとなった。現在TLR4ノックアウトマウスのhomo typeとwild typeの骨髄をそれぞれ致死量の放射線を照射した正常マウスに骨髄移植後、腿虚血障書の程度を比較検討している。
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Research Products
(2 results)