2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的治療薬とプロティオグリカンによるグリオーマ細胞吸着療法の開発
Project/Area Number |
20591702
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
浅野 研一郎 Hirosaki University, 医学部附属病院, 講師 (90312496)
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Keywords | プロティオグリカン / AG1478 / カドヘリン / EGFR / 人工基質 / 悪性グリオーマ |
Research Abstract |
悪性グリオーマは脳腫瘍の中でも発生頻度が高く、術後放射線療法や化学療法など集学的治療が行われるが、生命予後は極めて不良である。その原因としてグリオーマ細胞の浸潤性の強さにより、手術にて全摘したにもかかわらず約9割に局所再発を来すことが考えられる。そこでグリオーマ細胞の浸潤を防止し、一カ所に遊走沈着させることができれば効率的な治療を行うことができると考え実験計画した。 そのため腫瘍摘出術後、前処置としてグリオーマ細胞に間接的細胞接着因子増強作用があることが報告された分子標的治療薬を摘出面に塗布し腫瘍細胞を凝集させ、高濃度プロティオグリカン人工基質を重層し、グリオーマ細胞を吸着させ治療する実験モデルを開発する。 平成21年度は、in vivoの実験系の確立をめざし以下の実験を行った。 前年度in vitroの実験系の確立として、効率的に腫瘍細胞を凝集させ人工基質に吸着させる様に薬剤の調整を行い、至適濃度を決定することができたため、本年度はin-vivoとして動物実験の確立を目指す。腫瘍細胞は同様にC6を用い、病理検索での腫瘍浸潤の可視化を容易にするため、Green Fluorescein Protein(GFP)遺伝子を予め導入したC6-GFPを使用する(Asano K, J Neuro-Oncol 70 : 3-15, 2004)。 結果として、脳摘出標本の病理標本作成を行い、良好なコントロール標本を作成した。 画像解析にて、脳内に残存しているC6-GFPの有無の確認と、高濃度プロティオグリカン人工基質に吸着されたC6-GFPの存在の確認が可能であった。 以上の実験より、脳内に浸潤しているC6-GFPが高濃度プロティオグリカン人工基質に効率よく遊走沈着していることを確認し、次年度への基礎が完成した。
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Research Products
(3 results)