2010 Fiscal Year Annual Research Report
膜融合粒子を用いた悪性脳腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法の基礎的研究
Project/Area Number |
20591705
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中井 啓 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50436284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 明 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (90241819)
山本 哲哉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30375505)
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Keywords | ホウ素 / リポソーム / 中性子 / 悪性脳腫瘍 / 膜融合 |
Research Abstract |
膜融合蛋白ないし膜通過ドメインをもつホウ素ペプチドを利用し、中性子捕捉療法に用いるホウ素薬剤を腫瘍選択的にとうよするための検討を行った。 (1)膜融合タンパクを不活化センダイウイルスHVJ-Eより抽出し、脂質組成と組み合わせてliposomeの構築を行った。従来型のHVJ-Eは、ホウ素含有は可能であったが、治療濃度に到達するためには、局所投与が必要であった。これを静脈投与を念頭において、膜融合蛋白を抽出し脂質と混じることでリポソームを構築した。形態学的に粒子の生成が確認することができた。しかし、合成過程で用いる界面活性剤のためと推察されるが、膜融合能の機能評価に至らず、またホウ素投与量にも限界があった。内包するホウ素化合物の組成の検討や、他の膜融合蛋白ないし腫瘍選択性のための機能的分子の更なる応用を検討したい。 (2)膜通過ドメインを有するホウ素ペプチドを合成し、機能評価を行った。ホウ素含有率は低いものの、担癌マウスを用いた実験では、ホウ素濃度は治療可能濃度には至らなかったものの、腫瘍/血液比で2.5と若干の腫瘍選択性を認めた。しかし、血液滞留が持続せず、48時間では舅相に濃度が低下していた。EPR効果が不十分であると考えられ、安定して腫瘍血管から漏出するサイズおよび脂質組成をさらに検討する必要がある。このことより、膜通過ドメインの利用では腫瘍選択性と、血液滞留性を最適化することは困難であった。
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Research Products
(3 results)